近年、ドローンは注目されていますが、気になるのはプロペラの数です。マルチコプターには、多くの種類がありますが、最も見かけるのは、4枚翼です。何故、4枚なのでしょう。ラジコンヘリコプターとの比較を、交えながら分かりやすく紹介しています。
ドローンのプロペラは、4枚が多い理由
お店で販売されているドローンやテレビ映像で見るドローンの多くは、4枚の回転翼です。何故なのでしょうか?
理由は、モーターやモーターの速度コントローラなども最小数の4個で済むため、コストメリットが高いためです。
部品点数が最小で済めば、組立も簡単になって、故障率を減らすことも出来ます。
三角形の位置に羽を持っているドローンもあります。三角形のドローンは、一見4枚プロペラよりも少ない、3枚に見えます。
でも良く見ると、反転トルクを打ち消すように、3枚プロペラの倍の6枚のプロペラになっています。3枚のプロペラは、それぞれ2重反転プロペラ構造の為、6枚です。
これが、小型のドローンで最も多く4枚プロペラ構造が多く使われている理由でしょう。
ドローンに働く力
重さのあるプロペラが回転すると、ジャイロモーメントという力が発生してドローン本体が回転してしまいます。
ジャイロモーメントは、ねじりモーメントの一種で、回転力に回転体の長さを掛けたものです。
つまり、回転軸が空中にあるドローンは、プロペラの回転方向とは逆向きの力が発生すると回転してしまいます。
そのため、ドローンは、力を打ち消すために4枚のプロペラの回転方向を交互に変えることで制御しています。
ドローンとラジコンヘリコプターの違い
ラジコンヘリコプターのメインローターは1つだけです。ドローンの4枚翼よりも少ないのでメリットは多いように見えますが、ドローンとは何が違うのでしょうか?
ドローンには、ラジコンヘリコプターのように操縦者が遠隔操作をしなくても、自分で安定飛行できるような仕掛けがあります。ドローンの仕掛けとは、加速度センサー・GPS・電子コンパスなどの電子制御センサーのことです。
ドローンは、4枚翼のために、メインローターが1つのラジコンヘリコプターに比べて安定感があります。しかもプロペラの回転数を変えるだけで向きを変えることも出来ます。
ラジコンヘリコプターは、操縦者の技量が問われます。でも、ラジコンヘリコプターの愛好者にとっては、操縦者の腕が問われるのが良いのでしょう。
ドローンとラジコンヘリコプターは似ていますが、求められる方向性が違います。その為、お互いにライバル視しないで、進化していくでしょう。
まとめ
ドローンに、4枚翼が多い理由は、安定感のある飛行の為に必要な、最小の翼枚数だからです。4枚翼は、コストメリットが大きい点や、部品点数が少ない為に、故障する確率を減らせます。
ラジコンヘリコプターは、メインローターが1つのため、ドローンよりも部品点数が少なくて良さそうです。但し、4枚翼の安定感や様々なセンサーで自動操縦できるドローンとは、求められるものが違います。
ドローンは、遊び心を満足させてくれる面白い飛行体です。それだけではありません。安定飛行のポテンシャルの高さから、社会に必要とされる飛行物体として、増々磨かれるでしょう。