フィルターは、必要なものを取り出して、不要なものは取り除きます。電子回路のフィルターは、受動素子や能動素子回路で、通過させる周波数と遮断させる不要な周波数領域を分離します。この記事では、電子回路のフィルターの種類と役割を紹介しています。
フィルターの役割
エアコンのフィルターは、空気を通過させる所にメッシュ状のフィルターを入れて、空気中のゴミをせき止めます。エアコンフィルターは、このようにしてきれいな空気だけを取り出します。
これと同様に、ラジオや音響機器などの電子回路フィルターは、雑音を除去して必要な音だけを取り出します。テレビ映像の場合は、クリアな品質のよい映像信号だけを通過させるフィルターがあります。
つまり
電子回路のフィルターは、必要な信号とノイズ成分などを分離して、信号成分だけを取り出す働きをします。
電子回路のフィルターの種類
電子回路で一般的なフィルターは、周波数成分に着目して振り分ける回路です。音や映像データは、周波数で表わされるため、必要な周波数成分とそれ以外のものを区分けします。
フィルターのお陰で、雑音のない音声や、クリアな映像を楽しむことができます。
このように、電子回路のフィルターは重要な役目を担っています。
電子回路のフィルターを構成する素子には、コンデンサ、抵抗、トランジスタ、コイル、トランス、オペアンプなどがあります。
電子回路のフィルターには、次のような4つのタイプがあって、所望の周波数だけを通過させる働きをしています。
ローパスフィルター
ローパスフィルターは、直流から必要とする周波数成分までを通過させる役割を持っています。通過する信号の周波数帯域を、通過帯域と呼びます。
通過帯域以外の周波数は、ローパスフィルターで減衰させることで除去します。除去された周波数帯域は、阻止帯域と呼びます。
通過帯域と阻止帯域の境となる周波数を、カットオフ周波数と呼びます。
ハイパスフィルター
ハイパスフィルターは、ローパスフィルターとは逆の機能です。必要とする周波数以上の高い周波数だけを通過させて、低い周波数成分の信号は減衰させて遮断します。
バンドパスフィルタ
バンドパスフィルタは、必要とする周波数から指定した周波数の範囲だけを通過させる回路です。必要とする周波数よりも小さい周波数成分と、大きな周波数成分は、減衰させて除去してしまいます。
バンドエリミネーションフィルター
バンドエリミネーションフィルターは、必要とする周波数から所定の周波数の範囲のものを阻止します。このフィルターは、必要な周波数よりも小さな周波数成分と、所定の周波数よりも大きな周波数成分を通過させます。
つまり、バンドエリミネーションフィルターは、バンドパスフィルターとは逆の働きをするフィルター回路です。
まとめ
フィルターの役割は、必要なものと、必要ないものを分離して、必要なものだけを取り出します。
エアコンのフィルタを考えると分かりやすいでしょう。エアコンフィルタは、空気を通過させる場所にフィルターを入れて、ゴミをせき止めます。そして、きれいな空気だけを取り出すように働きます。
同様に、ラジオや音響機器などのフィルターは、雑音を除去して必要な音だけを取り出す役目をします。
テレビ映像の場合は、クリアな品質のよい映像信号だけを通過させるフィルター回路があります。このようなフィルターは、電子回路で構成されています。
電子回路のフィルターは、取り出す周波数によって、次のような4方式です。
4方式のフィルターとは、ローパス、ハイパス、バンドパス、バンドエリミネーションフィルターです。