「あられ」と「ひょう」の違いと、それらが形成される仕組みを分かりやすく紹介しています。ちょうど、今頃の季節(初夏から真夏)に見たことがある人は多いでしょう。暑い真夏に、氷の塊が空から落ちてくるだけで興奮してしまいそうです。
「あられ」と「ひょう」の違いとは
近年、気象環境が激しくなって、初夏の季節になると、「あられ」や「ひょう」が降ることが話題になります。
でも、「あられ」と「ひょう」の違いとは何でしょうか?
「あられ」と「ひょう」の違いは、氷の粒の大きさでした。氷の直径が5mm未満のものを「あられ」と呼び、直径5mm以上になると「ひょう」と呼んで区別していました。
では、「あられ」や「ひょう」はどのようにして作られているのでしょうか?
「あられ」や「ひょう」の形成方法

「あられ」や「ひょう」は、積乱雲で作られます。梅雨の季節になると、南の海上から温められた湿った空気がやってきますが、その頃の上空には寒気が入り込むことが多く、大気は不安定な状態になります。
すると、多くの積乱雲ができて、上昇気流になるところと下降気流になる場所が、あちらこちらに作られます。
上昇気流で上空に吹きあげられた空気は、急激に冷やされて雪の結晶になります。雪の結晶は徐々に成長しますが、さらに重くなると重力に引っ張られて落下します。
落下する雪の結晶は、周囲が0℃以下に冷やされた過冷却状態の水を合体して成長しながら地上に落ちてきます。これが、「あられ」の正体です。
過冷却状態の水とは?
過冷却状態の水というのは、0℃以下になっても凍らないで液体のままでいるドロドロした水のことです。
落下する雪の結晶と過冷却状態の水が合体するというのは、氷の塊になるということです。
「ひょう」は、どのようにしてつくられるのでしょう。
あられは、ある程度の重さになると、重力に引っ張られて地上に落下したものですが、「ひょう」の場合は、積乱雲の中で、上昇と下降を繰り返して大きく成長したものです。
上昇と下降を繰り返して、長径5mm以上の氷の塊になったものが「ひょう」と言われるものです。
ポイントのまとめ
「あられ」と「ひょう」の違いは、氷の粒の大きさでした。氷の直径が5mm未満のものが「あられ」で、直径5mm以上が「ひょう」です。
「あられ」や「ひょう」は、積乱雲で作られます。「あられ」や「ひょう」の元は、上昇気流で上空に吹きあげられた空気が急激に冷やされて出来た「雪の結晶」です。雪の結晶は徐々に成長しますが、さらに重くなると重力に引っ張られて落下します。雪の結晶は周囲の温度が0℃以下に冷やされた過冷却状態の水を合体しながら、成長して地上に落ちていきます。こうして、作られたものが「あられ」の正体です。
「ひょう」は、「あられ」と同様に形成されますが成長して重くなった雪の結晶が、積乱雲の密集地帯で上昇下降を繰り返して、大きく成長したものです。
「ひょう」は、直径5mm以上のものですが、気温が高い真夏の場合は、地上に到達するまでの間に溶けて小さくなっています。何度も上昇気流に持ち上げられた雪の結晶は、想像を超えるサイズに成長しているのかもしれません。
あくまで計算上ですが、氷の塊が大きくなればなるほど、落下速度は速くなります。「ひょう」や「あられ」が降って来た時には、外に出ないで屋内に避難した方がよさそうです。