南極と北極は、どちらも氷に閉ざされた、地球の端にある同じような世界と考えられがちですが、両者には大きな違いがあります。記事では、平均気温の差や、すんでいる動物などから、違いを分かりやすく紹介しています。南極と北極がもっと身近になるでしょう。
南極大陸はあるけど北極大陸は存在しない
南極と北極の最も大きな違いは、南極には陸地があるが、北極には、殆ど陸地がなくて、海ということでしょう。
つまり、南極には陸地があります。南極大陸は、6大大陸の一つと呼ばれていますが、北極は、北緯66度33分以北の地域のことで、北極圏と呼んでいます。
北極は、カナダ、アイスランド、ロシア等、計8ヶ国の領土の一部に、凍結した海が繋がったエリアです。
南極と北極の気温差
陸地のある南極と、殆どが海の北極では、平均気温差も大きく異なります。
北極の平均気温は、マイナス18℃ですが、南極の平均気温はマイナス50℃と言われています。
南極が北極よりも気温が低い理由
理由は、南極には陸地があることが大きく影響しています。そして、2つの要因があります。
1つ目は、南極には陸地があるため、その上に、雪や氷が積みあがります。現在は、厚さが4kmにもなっていて、その分だけ標高は高くなります。標高が高くなれば、気温は低くなるため、平均気温は低下します。
南極にあるロシアのボストーク基地の標高は3488mに位置しています。1983年7月のボストーク基地には、最低気温記録があります。ボストーク基地の最低気温記録は、マイナス89.2℃です。
2つ目の理由は、北極圏の氷の下は海のため、北極海から暖かい海流が流れ込めます。これに対して、南極には陸地があるため、大陸の周囲は、冷たい海流で囲まれています。
そして、南極の周囲には冷たい海流の流れがあるため、暖かい海流が大陸周辺に入り込みにくくなっています。
このような理由で、南極は北極に比べて、極低温化してしまいます。
生息している動物
南極のような、極低温地域では、コケ類しか生育しません。そのため、南極には魚類などを食べるペンギンや、南極オットセイ、ミナミゾウアザラシなど、一部の生物だけが生息しています。
これに対して、平均気温がマイナス18℃の北極は、人間が考えると、とても寒い地域ですが、夏季には花も咲いてくれます。
そのため、北極には、肉食のホッキョクグマだけでなく、植物食のトナカイ、ジャコウウシなど、様々な生物が生息しています。
まとめ
南極と北極は氷に囲まれた極地で同じように見えますが、次の点で大きな違いがありました。
- 南極は大陸ですが、北極は殆ど海のエリアです。
- 北極の平均気温は、マイナス18℃ですが、南極の平均気温は、マイナス50℃と極低温地域です。
- 南極は陸地の上に4kmもの氷が堆積して山を形成していますが、北極には、陸地がないため、南極の様な氷の堆積はありません。
- 極低温の南極では、コケ類しか生育しませんが、北極の夏には植物が育って花も咲きます。そのため、植物を食べるトナカイや、ジャコウウシなど、様々な生物が生息しています。