携帯電話の世界では、5Gが注目されていますが、WiMAXの通信方式とは、どんなものなのでしょう。また、携帯電話とは何が違うのでしょう。この記事では、出来るだけ分かりやすい表現で、WiMAXやWiMAX2について紹介しています。
WiMAXとはどんなものなの?
WiMAXは、Worldwide Interoperability for Microwave Accessの頭文字です。元々の開発目的は高速無線アクセス用の固定通信用途として開発されました。
ところが、無線で動作するため、モバイル通信として注目されました。2009年にはモバイルWiMAXとして、2.5GHz帯が割り振られています。
周波数帯が2.5GHzと高周波のため、セルの半径を、携帯電話よりも狭めています。
《セル半径》
セル半径というのは、移動局端末が基地局と通信できる距離のことです。
携帯電話のセル半径は(数km)ですが、WiMAXは、500m〜1km程と短く設定されています。
モバイルWiMAX の通信方法
モバイルWiMAX の通信設備は、次のようなものです。
- 各セル内の基地局は、通信センターに光ファイバー回線などで接続されています。
- 通信センター内には、サーバーやゲートウェイ装置が設置されています。
- ゲートウェイ装置は、携帯端末などの接続制御を行っています。
モバイルWiMAX の通信手順は、次のように行っています。
- 携帯端末は、通信センターに必要な帯域を要求します。
- 通信センターは、各端末からの要求に応じて帯域幅や時間を割り当てます。
- 各端末は、通信センターから指定された帯域幅や時間で、データを送ります。
以上のような手順で通信します。基地局と携帯端末間は、TDD(Time Division Duplex)という方法で双方向通信しています。
TDDとは?
TDDは、上りと下りで同じ周波数で通信します。信号は、時間で分けることで交互に通信する方式です。
WiMAX と携帯電話との違い
WiMAX と携帯電話との大きな違いは、携帯電話のような電話番号が無い事です。WiMAXの端末識別は、LANと同様に、MACアドレスで行います。
つまり、WiMAXは、携帯電話よりも無線LANに近い通信方式と言ってよいでしょう。実際に端末を購入する時には、面倒な通信会社との契約はないので、とてもスムーズです。
WiMAX 2とは?
WiMAX2は、WiMAXよりも通信速度の高速化をはかったものです。WiMAXの伝送速度は、下り(40Mbps)程ですが、WiMAX2の下りは、3倍程速いと言われています。
特に端末の移動速度による違いは大きいです。WiMAXは(時速120km以下)という使用制限がありますが、WiMAX2では、(時速350km以下)です。
まとめ
WiMAXは、高速無線アクセス用の固定通信用途として開発されました。但し、無線で動作するため、モバイル通信として注目されています。2009年にモバイルWiMAXとして、2.5GHz帯が割り振られました。
WiMAX と携帯電話との大きな違いは、携帯電話のような電話番号が無い事です。
端末の識別は、LANと同様にMACアドレスで行います。
WiMAXは、携帯電話よりも無線LANに近い通信方式です。その為、端末購入時には、通信会社との契約は不要です。
WiMAX2は、WiMAXよりも通信速度の高速化をはかったものです。