サーバーの接続方法を紹介しています。家庭内で接続する「ビア・ツー・ビア型」と、職場などで活用する「オンプレミス」と呼ばれる「クライアント/サーバー型」についての違いを理解できます。
ネットワークを作るサーバーの形態
現在のPC(パソコン)のOSには、標準でネットワーク機能が備わっていて、2台以上のPCをケーブルでつなげると、データの共有や周辺機器の共有ができるようになっています。
OSのネットワークには、「サーバー」と「クライアント(依頼者)」の両者の機能があることから、ファイルなどの共有データを保存するPCをファイルサーバーとして設定すれば、他のPCのクライアント機能から、共有ファイルを利用できるようになります。
これは、お互いのパソコンをサーバーと見なすことや、クライアントにすることが出来ることを意味しています。このようなネットワーク形態を「ビア・ツー・ビア型」と呼んでいます。
「ビア・ツー・ビア型」は、ネットワーク内のどのPCでも、ファイルサーバーにすることができるなど気軽に対応可能なため、家庭内の小規模ネットワークには向いています。
ところが、PCの台数が多い、会社や学校などの大きなネットワークでは、「ビア・ツー・ビア型」では、さまざまな弊害が生じてしまいます。
そのため、大規模ネットワークでは、専用マシンをサーバーとして設置して、サーバーがクライアントにサービスを提供するネットワーク形態「クライアント/サーバー型」を活用しています。
ネットワークに専用のサーバーマシンが必要な理由
職場や学校などの人数の多い所では、専用のサーバーを稼働させる「クライアント/サーバー型」にしなければならない理由があります。
この理由は、PC台数の多い所で「ビア・ツー・ビア型」のネットワークを用いた時のデメリットを見れば判りやすいでしょう。
「ビア・ツー・ビア型」ネットワークの弊害

サーバーを作る理由は、「運用と管理の利便性向上」と「PCパフォーマンスの向上」です。
このことを考えると、「ビア・ツー・ビア型」のデメリットが浮かび上がってきます。サーバーを作る理由は、「運用と管理の利便性向上」と「PCパフォーマンスの向上」です。
『運用や管理』面の弊害
1台のPC(サーバー)に共有ファイルがまとめられていれば、管理が容易になるし、利用者もファイルを探しやすくなって便利です。さらにバックアップも簡単にできますが、「ビア・ツー・ビア型」では、さまざまPCにファイルが保存される使われ方になってしまいます。
PC台数の少ない場合には、このようなやり方でも不都合はないでしょうが、大きなネットワークになると大変な問題になることが判るでしょう。
『PCのパフォーマンス』の弊害
「ビア・ツー・ビア型」では、お互いのPCがクライアントやサーバーとして対応しています。
その結果、自分のPCで作業をしている時に他のPCから、貴方のPC上のファイルを読み書きしたいということも起こります。
すると、双方のファイルのソフトの処理に時間が掛かるようになります。
ポイントのまとめ
サーバーを接続するネットワークの形態について紹介してきました。職場などではサーバーがクライアントにサービスを提供するネットワーク形態を「クライアント/サーバー型」にする理由が理解できたでしょう。
以前では、このようなものを「自社サーバー」と呼んでいましたが、現在では「オンプレミス」と呼びます。
さらに、近年では高速インターネット回線が普及して、インターネット上のサーバーを社内から活用する「クラウドコンピューティング」を採用することも行われています。
「クラウドコンピューティング」は、自前のPCで行っていた処理をインターネット上のサーバーが担当する形のため、クライアントはサーバーが提供するサービスを必要な時だけ使うことができる便利な形態です。
「クラウドコンピューティング」は便利ですが、リスクも伴うことが予測されます。それらについては、後日紹介することにします。