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核融合反応(1)|原子力発電所方式との違いと地球での実現条件

太陽に続く道

太陽などの恒星は、核融合反応をしています。核融合反応は、安全でクリーンで、無尽蔵な究極の夢のエネルギーと言われています。この記事では、難しそうな核融合エネルギーを身近に感じられるように、出来るだけ分かりやすく紹介しています。

核融合反応とはどんな現象なの?

光輝く太陽は、46億年も前から核融合反応をして遠く離れた地球の生物に命の源ともいえる強烈な光と、温度を降り注いでいます。さらに、これから先も50億年間も現在と同じ状況を維持すると言われています。

専門家によると、太陽だけでなく、宇宙の恒星と言われる光輝く星は、すべて核融合反応をしているそうです。

それほどすごい核融合反応とは、どんなものなのでしょうか?

核融合反応とは?

核融合反応とは、軽い原子どうしがぶつかり合って、少し重い原子ができる反応のことです。ただし、核融合反応で融合した原子の質量は、ごく僅かな質量を失っています。(2つの原子が1つになる時に、元の2つ分の質量よりも少しだけ少ないのです)

実は、核融合した時に少しだけ失われた質量が、莫大なエネルギーを生み出します。太陽などの恒星は、このエネルギーを使って、長期間輝いています。

分かりにくいのは、現在の原子力発電所で用いられている核分裂反応との区別でしょう。

原子力発電所で行っているのは核融合反応ではなくて、ウランやプルトニウムなどの重い原子核を割った時に発生する核エネルギーの分裂反応です。

現在、廃炉対応中の高速増殖炉(もんじゅ)も、核融合反応ではなくて、核分裂反応です。

核融合反応に使う軽い原子とは?

太陽で行われている核融合反応は、次のようなものです。

太陽は全体の3/4が水素(H)です。中心温度は1,500万度(表面温度は、6,000度)と高温で、密度も鉄の20倍もあると言われています。このような環境なら、水素(H)は、核融合反応を継続して起こすことができます。太陽の核融合反応では、水素(H)がヘリウム(He)になります。

太陽と地球の質量を比べると、33万倍も違うため、地球上では太陽のような高密度にはできません。そのため、地球で水素(H)による核融合反応は難しいのです。(太陽の質量は大きいため、引力で圧縮されて、高密度になります。)

そのため、地球で行われている実験では、水素(H)よりも核融合反応を起こしやすい、重水素(D)や、三重水素(T)、ヘリウム3(3He)が使われています。

何故、核融合反応に高密度が求められるの?

イメージでお考え下さい。

サウナは100℃の雰囲気でも入ることができますが、沸騰したお湯には入れません。理由は、密度の違いです。お湯は、水蒸気に比べて、圧倒的に水粒子の密度が高いため、熱くて人が入ることができないのです。

ちなみに、太陽では、1500万度の温度で核融合反応がすすみますが、密度の小さい地球では、1億度の温度が必要になります。

核融合反応に必要な条件

輝く恒星輝く恒星

太陽や恒星は、核融合反応を起こしていますが、地球では実現していません。この分野の専門家は世界中で研究を進めていて、地球で核融合反応を実現する条件を次のように決めています。

3つの条件

下記は、地球上で核融合反応を起こすための3条件です。

  • プラズマの温度が1億度以上になること。
  • 1立法センチメートル中の原子核の数が100兆個以上あること。
  • プラズマを1秒以上閉じ込められること。

地球上で核融合反応を起こすためには、これらの3つの条件が全て揃わなければなりません。もちろん、それぞれ理由はありますが、今回はここまでにして、理由などは次回に紹介することにします。

ポイントのまとめ

核融合反応は、水素(H)などの軽い原子どうしがぶつかり合って、少し重い原子ができる反応のことですが、この時、原子の質量は僅かな質量を失っています。(2つの原子が1つになる時に、元の2つ分の質量よりも少しだけ少なくなります)

この、少しだけ失われた質量が、莫大なエネルギーを生み出すため、究極の夢のエネルギーとして世界中で研究されています。

核融合反応と、現在の原子力発電所で用いられている核分裂反応との区別なんてしたこともないという人は多いでしょうが、日常を忘れて、夢のエネルギーのことでも考えてみましょう。

現在の原子力発電所では、ウランやプルトニウムなどの重い原子核を割った時に発生する核エネルギーの分裂反応から発生する熱を利用して発電しています。

地球上で核融合反応を実現するためには、3つの難しい条件を同時にクリアーする必要があります。

具体的な内容は、「核融合反応(2)」の回に紹介する予定です。

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iyasaretaihito
子どもの時から、昆虫や恐竜、宇宙などに興味がある理科大好きな理系人間です。 会社は半導体設計関連会社に勤務して、60歳で定年退職後は趣味に没頭する、のん気なおじさんです。