些細なこと

夜になると昼間受信できなかったラジオ局の電波がとどく理由

レトロなラジオ

ラジオの深夜放送では、日中には聞けなかった外国語のアナウンスや音楽番組が聞こえてくることもあります。とても不思議ですが、何故こんなことが起こるのでしょうか? この記事では、地球の電離層と電波の関係から分かりやすく紹介しています。

夜のラジオは不思議が楽しめる!

若い頃からラジオの深夜放送は大好きでした。AM放送や短波放送では、軽快なパーソナリティのおしゃべりや歌だけでなく、ちょっとチューナーを回すと、昼間には聞くことの出来ない外国語のアナウンスや音楽が聞こえてくることもあるからです。

深夜は、ラジオで不思議な世界を味わえます。きっと、地球の反対側のラジオ局の電波が届いているのでしょう。

電波は、基本的に直進します。空に向かった電波は、丸い地球から宇宙に放出されてしまうでしょう。何故、夜になると昼間聞こえない地域にまで到達するのでしょうか?

電波の伝わり方

地球と電離層地球と電離層

 

地球の上空には、電離圏という層があります。電離圏は、太陽光線(X線や紫外線など)の影響で地球の大気にある、分子や原子が電離してしまったものです。

上空に向かって送信された電波は、電子の密度が高い300km上空の電離層で反射(屈折)して再度地上に到達します。地上に到達した電波は、電離層と同様に反射(屈折)して、再び電離層に向かいます。電波は、反射(屈折)を繰り返すため、球体の地球でも遠方まで到達します。

ところが電離圏の層は、太陽光線の影響を受けるため昼と夜では、層の幅や性質が違います。

日中の電離層

電子密度が高くて電波の反射(屈折)に寄与する電離層は、上空300km付近に形成されますが、最も太陽光線が強い時には、100km以下のところにも電離層が出来てしまいます。

100km以下に作られる電離層は電子密度が低い性質を持っています。電子密度が低いため、電波は反射(屈折)しないで減衰し、付近にある大気分子に吸収されてしまいます。短波放送のように周波数が高いと、この影響は少ないようです。

夜間の電離層

夜間には、太陽光線はさえぎられるため、100km付近の電離層は消滅してしまいます。そのため、夜間の電波は、何の障害もなく、電子密度の高い300km程の電離層で反射(屈折)することができます。電波は、しっかり反射(屈折)して再び地上に到達するため、日中聞くことのできなかったラジオ放送を受信できるのです。

短波放送も、100km付近の電離層が消滅すると良い影響を受けます。夜間になると短波放送で、外国語を聞くことが出来るのは、このような理由からでしょう。

電波は全て電離層で反射されてしまうの?

電波塔電波塔

 

電子密度の高い300km程の電離層は専門的にはF層、100km付近の電離層はE層と呼ばれています。

F層で反射されるのは、短波(HF帯)までの周波数帯までです。それ以上高い周波数の電波は、F層を突き抜けることができます。

F層を突き抜けて宇宙に逃げてしまうもの電波は、超短波(VHF)や極超短波(UHF)、マイクロ波(SHF)を使っているFMラジオやテレビ放送などの電波帯です。

ポイントのまとめ

通常の電波(短波までの周波数帯)は、地球の上空を覆っている電離層に反射(屈折)して、再び地上に到達します。地上に届いた電波は、地上でも反射(屈折)して再び電離層にぶつかります。電波は、このような反射(屈折)を繰り返すことで、球体の地球の遠方まで伝わっていました。

電離層は、太陽光線によって地球の大気中の分子や原子が電離したものです。300km上空には、電子密度が高い電離層(F層)があるため、通常の電波は、反射(屈折)しますが、太陽光線が強い日中は、高度の低い所にも電離層(E層)ができてしまいます。

E層では、電子密度が低いため、電波は反射しませんが、減衰して勢いをそがれ、付近にある大気に吸収されて消滅してしまいます。このようにE層の影響を受けるため、日中は遠くまで電波が届きにくいのです。

太陽光線の影響を受けない、夜間はE層がなくなるため、通常の電波は、F層まで到達して、地上との間で反射(屈折)を繰り返すことができるため、遠方まで届くのでしょう。

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iyasaretaihito
子どもの時から、昆虫や恐竜、宇宙などに興味がある理科大好きな理系人間です。 会社は半導体設計関連会社に勤務して、60歳で定年退職後は趣味に没頭する、のん気なおじさんです。