記事では、TCP/IPの4つのレイヤ(階層)がどんな識別子で、ネットワーク内の機器を識別しているのかを紹介しています。気軽な気持ちで覗いてください。これらの内容は、取っ付きにくい言葉で表現されていますが、繰り返し触れることで身近なものになります。
ネットワーク内の機器を認識する識別子
ネットワーク内にあるコンピュータや機器類は、有線や無線で接続されています。データのやり取りは、相手の機器やソフトウェアを認識して区別するための識別子(名前)を付けて対応しています。
TCP/IPの各レイヤでは、それぞれ役割が異なります。そのため、接続相手を識別するための仕組みがあります。次にレイヤごとに違う識別子を紹介します。
各レイヤの識別子
TCP/IPのレイヤごとの識別子は、次のようになっています。
ネットワークインターフェイス層
代表的な有線規格であるイーサネットのプロトコル(約束ごと)には、MACアドレスと呼ばれる識別子があります。MACアドレスは、直接情報のやりとりをするコンピュータ機器などのハードウェアを特定します。
ネットワーク内のハードウェアを特定する方法は、2桁の英数字6つをハイフン(-)やコロン(:)で結び付けることです。
インターネット層
インターネット層では、情報をやりとりする相手を特定するための識別子に、IPアドレスを使っています。
トランスポート層
トランスポート層には、TCPあるいは、UDPと呼ばれるプロトコルがあります。TCPとUDPは、アプリケーション層のソフトウェアの間に仮想的な通路を作って、データを受け渡します。
仮想的な通路の出入口には、ポートが複数あるため、ポート番号という識別子を付けて、各々を区別しています。
TCP
TCP(Transmission Control Protocol)には、データを確実に送受信する機構が備わっています。そのため、TCPプロトコルの処理は重くなります。
UDP
UDP(User Datagram Protocol)は、処理が簡単で、リアルタイムを重視する通信に利用されています。UDPは、遅延が少ないプロトコルです。
アプリケーション層
アプリケーション層のプロトコルは、webブラウザでサイトを閲覧する手順を規定しています。HTTP(HTTPS)や、メール送信のSMTP、メール受信と削除のPOP3などがあります。ここでは、使用する人が、アプリケーション層のソフトウェアを使って指定します。
まとめ
ネットワーク内にあるコンピュータや機器は、有線や無線で接続されています。データのやり取りには、機器やソフトウェアを認識して区別する識別子(名前)が必要です。
TCP/IPは次のような、レイヤごとに違う識別子をもっています。
- ネットワークインターフェイス層
有線規格のイーサネットのプロトコルは、MACアドレスと呼ばれる識別子です。MACアドレスは、直接情報のやりとりをする機器のハードウェアを特定しています。 - インターネット層
インターネット層は、相手を特定するための識別子にIPアドレスを使っています。 - トランスポート層
トランスポート層には、TCPあるいは、UDPと呼ばれるプロトコルがあります。TCPとUDPは、アプリケーション層のソフトウェアの間に仮想的な通路を作って、データを受け渡しています。 - アプリケーション層
アプリケーション層のプロトコルは、HTTP(HTTPS)や、SMTP、POP3などのことです。ここでは、使用する人が、アプリケーション層のソフトウェアを使って指定します。
以上で、TCP/IPのレイヤ毎の大まかな、識別子について紹介しました。これらの詳しい内容は、別の機会に紹介する予定です。