この記事では、電波の定義と性質から始めて、電波の基本的な性質や特殊な性質を紹介しています。短時間で電波の概要を把握できます。家庭内で、電波を使うことも増えているため、無線を有効に活用する時の基本知識として役立つでしょう。
電波の定義と性質
電波は、3テラヘルツ以下の電磁波と定義されています。
電磁波は、電気のプラスマイナスの性質を持っている電解と、磁石のN極とS極の働き合う磁界が影響し合いながら進みます。電磁波は、空間を光速で伝わる波と言っても良いでしょう。
電磁波の波は、1秒間に何回波が繰り返されるのかを示す周波数と、次の波までの距離を示す、波長で表されます。
周波数の単位は、ヘルツ(Hz)で示されるため、電波の3テラヘルツは3000GHzと表記されます。
周波数の呼称単位
周波数の主な呼称単位は、次のように表されます。
1kHz(キロヘルツ)=1000Hz、1MHz(メガヘルツ)=1000kHz
1GHz(ギガヘルツ)=1000MHz、1THz(テラヘルツ)=1000GHz
3THz(テラヘルツ)=3000GHz
そのため、3テラヘルツ(THz)とは、1秒間に3×10の12乗回も繰り返される波のことです。
電波の定義は、3テラヘルツ以下の電磁波ですが、周波数の違いで性質も異なるため、電波を利用する時には、使用に適した用途で周波数の範囲を決めて使われます。
電波の特殊な性質
電波には、次のような特殊な性質があります。
- 電波は、電解と磁界が振動して空間を伝わるため、音に似ています。ただし、音は気体(空気)や液体、個体などの振動媒体がないと伝わりませんが、電波は宇宙空間のような真空中でも伝わるという特殊な性質をもっています。
- 電波は、何もない空間では真っすぐ進みますが、障害物があると進路を曲げることや強度を減衰させてしまう性質があります。
- 電波は、木材のような絶縁物では磁気を帯びないため減衰しないで伝わります。但し、鉄筋コンクリート造りの建物や、水分を含んだ土等は電気を通すため、伝わりにくいという性質を持っているます。
電波が使われているもの
日常生活で使っている電波は、見ることや触れることはできません。でも、電波は空間を伝わるため、テレビ放送やリモコン等、さまざまな信号の送受信として使われています。
電波は一斉に使ってもなくならないの?
電波は真空空間でも光の速さで伝わる性質があります。そのため、多くの人々が一斉に使うこともあります。電波は、多くの人が、同時に使っても無くなることはないのでしょうか?
電波もエネルギーを消費するため無限に伝わることはありません。そのため、東京タワーのアンテナから放射される電力は、多くの人が電波を使っても問題が生じないようにしています。受信者が受け取る電力に対して桁違いに余裕を持たせて送信しているからです。
こんなことが出来るのは、受信者側で電波を受けとるのに必要な電力量は、極めて小さくて済むからです。
例えば、東京タワーから20km離れた場所での受信電波は、3W(ワット)の10万分の1と言われています。電波は、これ程、小さくても十分に受信できます。
もちろん、東京タワーからの距離が遠くなれば電波のパワーは低下するため中継基地局を設けて電波を増幅しています。
まとめ
電波とは何なのか、どんな性質を持っているのかを理解して頂けたと思います。
LAN(Local Area network)も、電波を使った無線の活用が増えています。電波の特徴や性質を理解することで、家庭内で使うLAN環境も改善することが出来るでしょう。
駅構内や、ホテル、喫茶店などでも無線LANの一種である、Wi-Fi可能というステッカーを見かけることが増えてきました。このように、電波を使った無線の世界は、これからもどんどん広がるでしょう。