マイクロプラスチックは、世界的な地球環境に影響する問題です。この記事では、プラスチックが引き起こす問題を、原因とともに技術的な解決方法なども含めて、分かりやすく紹介しています。プラスチックが何故、環境問題になっているのかの理解が深まります。
マイクロプラスチックの環境問題とは?
マイクロプラスチックの環境問題は、海などに流された微小なプラスチック粒子が生態系に悪い影響を及ぼすことです。プラスチックには分解されにくい性質があるため、問題を引き起こします。
プラスチックで製品化する時には、成形しやすくて分解されにくい性質は、扱い易くて製造元には受け入れられています。逆に、この性質は、廃棄される時には自然環境に戻りにくいという問題を抱えています。そして、大きな社会問題になります。
具体的な問題
プラスチック製品は細かい粒になるとマイクロプラスチックと呼ばれます。マイクロプラスチックは、川などから、海に流れ着いて蓄積されます。
プラスチックは細かく砕かれて、マイクロプラスチックになります。但し、どんなに細かく砕かれても小さな粒のプラスチックの性質を残したままで、それ以上分解されません。
プラスチックの小さな粒は、小魚などに食べられますが、食物連鎖によって、大きな魚にドンドン蓄積されてしまいます。
そして、大きな魚は、肉食のサメやイルカや、アシカ・アザラシ等の海獣などに食べられます。人は生態系で最も上位の生物の為、濃縮されたプラスチックを食べることになります。
そのため、マイクロプラスチックを食べると、その子孫に影響を及ぼすかもしれません。
これが、マイクロプラスチックの環境問題です。
プラスチックは何故、自然界で分解しないの?
プラスチックが自然界で分解しない理由は、プラスチックを構成する炭素原子どおしが、強い力でくっつきあっているためです。
また、一般的な原子は水の分子と反応する加水分解によって結合が切断されます。但し、炭素と水素を主成分とするプラスチックは水を弾いて寄せ付けません。その為、プラスチックは、加水分解による結合の切断が起こりにくいのです。
自然界で分解しにくいプラスチックの性質は改善できないの?
プラスチックが、分解しにくいのは炭素原子どおしが強固な力でくっついている為です。現在、この問題を解決するために、生分解性プラスチックが技術開発されています。
生分解性プラスチック
生分解性プラスチックは、プラスチックの利点である、加工性が良くて、製品として使用中には分解しにくい性質を持っています。でも、製品としての働きを全うした後には、速やかに自然界で分解する性質を持っているものです。
生分解性プラスチックは、分解しにくい炭素原子の鎖状の構造の一部に酸素原子などを入れた構造をしています。このような構造にすることで、加水分解を起こしやすい性質が産まれます。
まとめ
マイクロプラスチックの環境問題は、海などに流された微小なプラスチック粒子が生態系に悪い影響を及ぼすことです。
プラスチックは、炭素原子どおしが頑強に繋がっていることと、加水分解による結合が切られない為に、自然界では簡単には分解しません。加水分解しにくい理由は、プラスチックの原材料が、炭素と水素という水を弾く組合せで構成されているからです。
そうは言っても、プラスチックの加工性の良さは捨てがたいものがあります。そのため、炭素原子の構造に酸素原子等を入れて、加水分解しやすい性質を持たせるプラスチックの研究が進められています。