電子メールは、どのような仕組みで、相手に届くのでしょう。記事では、SMTPがどのような働きをしているのかや、受信時にメールデータがどこに保存されているのかなどを説明しています。紹介は、POP3とSMTPプロトコルの働き方等で行います。
電子メールの送信時に働く、SMTPプロトコル
電子メールを送信すると、付近にあるインターネットサービスプロバイダのメールサーバに送信されます。
この時、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、次のような働きをします。
- 送信したメールの宛先が最初に送付したメールサーバと違う時には、別のメールサーバに転送される。
- 次に送付した宛先が違う時には、さらに次のメールサーバに送付される。
以上のように、正しい宛先に到達するまで、様々なメールサーバを繰り返します。最終的には、SMTPの働きで目的の宛先を管理するメールサーバに届けられますが、複数のメールサーバを経由して届けられます。
複数のメールサーバを経由する欠点
送付したメールは、一時的に複数のメールサーバに保管されることになります。
この時、メールの内容を盗み見されてしまうかもしれません。
また、メールを送信しても、相手に届くまで時間がかかることもあります。
原因は、正しい宛先のメールサーバに到達するまでにメールが停留してしまうことがあるためです。例えば、多くのサーバを経由している場合や、経由するメールサーバの負荷が重い場合などです。
メール受信のプロトコル
メールサーバに保存されたメールは、メールユーザが受信するまでの期間は、メールサーバに保存されています。
メールを送信してから、数カ月経過したメールを読みだすことができるのは、このためです。
当然、メールサーバ内には他のユーザのメールも保存されています。
そのため、受信者は、ユーザ名やパスワード認証をしなければなりません。
このような受信メールに利用されるプロトコルは、POP3やIMAPです。ここで、POP3は、Post Office Protocol Ver3の頭文字です。そして、IMAPはInternet Message Access Protocolの頭文字です。
POP3
POP3プロトコルでメールを受信すると、端末へメールをダウンロードします。そのため、サーバーにはメールデータは残りません。
POP3の場合、サーバ上にメールデータを残したい時には、サーバ上のメールを削除しない設定にする必要があります。
IMAP
一般的なブラウザでアクセスするwebメールの受信時には、大抵IMAPプトコルが使われています。
POP3の場合は、メールを受信すると、メールサーバにメールが残りません。でも、IMAPでは端末に、メールのキャッシュだけをダウンロードして、メールデータはサーバ上に残しておきます。
この為、POP3は、決められた1台の端末からだけ、メール受信できます。IMAPは、PCやスマホなどの複数の端末でメールを読むことができます。但し、IMAPは、サーバ上にメールデータを保管するため、容量制限があります。
まとめ
これで、電子メールの送受信の概要は、分かったことでしょう。
電子メールは、複数のサーバを経由するため、セキュリティには気をつけなければなりません。メール受信時には、本人の認証をしますが、どうしてもリスクはつきまといます。
そのため、重要な内容は、電子メールで送付しないようにするのが良いでしょう。
また、電子メールのプロトコルのIMAPとPOP3については、それぞれ、メリットやデメリットがあります。
これらを十分に理解した上で、どちらが自分に適しているのかを決めるようにしましょう。