通信に使う電波は、限られた貴重な周波数帯を効率的に使う方向で進歩してきました。記事では、携帯電話の第一世代のFDMA、第二世代のTDMA、そして第三世代で多く使われているCDMA方式を紹介します。これで、分かりにくい通信方式が整理できます。
電波の接続方法
電波を使った通信周波数は、限られた周波数帯を使用しています。そのため、貴重な周波数帯を効率的に使う方向で進歩してきました。
効率的な接続方式は、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)の3つです。
次に、これら3つの方式を簡潔に紹介します。
周波数分割多元接続(FDMA)
FDMAは、Frequency-Division Multiple Accessの頭文字です。FDMAは、それぞれの端末に異なる周波数を割り当てて通信しています。
通信事業者には特定の周波数帯が割り当てられます。使用する通信事業者は、周波数帯を細切れに分けて、要求された端末に割り振ります。
電波の使用者は、それぞれ細切れの周波数を使って通信します。但し、細切れの周波数間で、干渉しないように余分な隙間をあける必要があるので、どうしても無駄が生じます。
但し、各端末に周波数を割り振る方式の為、技術的には平易な方式です。
時分割多元接続(TDMA)
TDMAは、Time Division Multiple Accessの頭文字です。FDMAが、周波数を細く区切ったものに対して、TDMAは、時間を区切った方式です。TDMA方式は、各端末に一定時間(一瞬)の通信周波数を割り振ります。
TDMAもFDMAのように、端末間では、割り振った隙間が必要です。
TDMAの時間的な隙間は、FDMAの周波数の隙間に比べて利用効率は上がります。
但し、TDMA方式の端末では途切れ途切れの電波になるため、FDMAよりも高度な通信管理をしなければなりません。
TDMA方式に求められる技術
途切れ途切れの電波を違和感のないようにするため、次のような技術が必要です。
- 電波を蓄積した後に圧縮してからまとめて送受信する技術
- 正確な、時間同期をする機能
符号分割多元接続(CDMA)
CDMAは、Code Division Multiple Accessを略したものです。携帯電話の世代で比べると、FDMA(1G)、TDMA(2G)に対してCDMAは3Gで多く使われています。
CDMAは、同じ周波数帯に複数の通信を送り出すため、通信が干渉しないように高度な技術が使われています。
CDMAの特別な技術
CDMAは、通信電波が干渉しないように次のような工夫をしています。
- 送信信号毎に異なるPN符号と呼ばれる信号を掛け合わせて、広い周波数帯に拡散します。
- 受信側では、拡散してしまった電波を受信します。但し、これだけでは内容が不明の為、同じPN符号で逆変換して、元のデータに復元します。
CDMAは、端末ごとに違うPN符号という手法を用います。そのため、電波の干渉なしに並行して多くの通信が出来て、通信効率は大幅に向上します。
まとめ
電波を使った通信周波数は、限られた周波数帯を使用するため、貴重な周波数帯を効率的に使う方向で進歩してきました。
携帯電話では、次のような方式で進歩してきました。
第一世代移動通信システムはFDMA方式、第二世代はTDMA方式、そして、第三世代はCDMA方式です。