飛んでいる鳥の視線で、車体を上から見ることのできる自動車の駐車支援システムは、素晴らしいと思います。実際には、どのようにして映しているのでしょうか。この記事では、駐車支援システムがどのような仕組みで動作するのかを分かりやすく紹介しています。
車の上から映す映像の不思議
最近、年をとったせいか、バックする時の安定感が以前に比べてなくなりました。コマーシャルで見た自動車の駐車支援システムを欲しいとつくづく思います。
でも、考えてみると、車の屋根の上空から全体を映す方法なんてあるの? とても不思議です。そこで、実際の駐車支援システムについて調べてみました。
駐車支援システムの仕組み
駐車支援システム付きの車には、車の先端部と後部、それに左右のドアミラー付近の計4ヶ所に目立たないカメラがあります。この小さなカメラで、車の周囲全体を映していました。
駐車支援システムの映像は、これら4ヶ所の映像をコンピュータで加工したものです。
どんな風に加工するの?
4ヶ所で映した映像は、カメラの位置からやや斜めに地面を見下ろすように映ります。これらの映像を車の屋根の上の方から見ることを想定して、計算で修正します。
計算で修正した映像を、中央部の車体上空から見た映像にして投影します。つまり、あらかじめ用意したもので実写ではありません。
加工した映像ですが、実際に今の状況を反映しています。
ドライバーからは見ることの出来ない映像も運転席からモニターで確認できるため、とても役立ちます。
駐車支援システムのメリット
駐車支援システムの利点をまとめると、次のようなものでしょう。
- 運転席からは、死角になって見えないところも見ることができる。
- 鳥が上空から見ているように、車全体を俯瞰(ふかん)して見れるため、運転操作しやすい。
注意点
駐車支援システムがあると、ドライバーの負担は軽減されるでしょうが、注意点はあります。
このシステムは、車の周囲だけを見ています。この車以外にも動いている車はあります。駐車場内を走っている子供もいるかもしれません。
もちろん、このような点も自動車メーカーは配慮しています。何か問題になることが想定されると、ブザーなどで注意喚起をする仕組みもあります。
但し、ドライバーには広い視野で周囲の状況を把握しながら、モニター映像を見て、駐車することが求められます。自動車メーカーの技術レベルも異なります。
運転者は自分だという認識を持って、車のサポートを受ける姿勢が求められます。
まとめ
自動車の駐車支援システムは、数カ所に仕掛けられた小さなカメラ映像を元にして加工した映像です。運転者が理解しやすいように、車を上から見た時の映像にしています。
このシステムは、既に車の自動運転技術と組み合わせて、自動駐車システムに実用化されています。運転の不得手なドライバーに、ハンドル操作やブレーキ操作などのアドバイスもしてくれます。
自動車メーカーは、それぞれ独自の技術で、駐車支援システムを開発しています。車種にもよりますが、オプションなどで、好みのものを選ぶことができるようになっています。
年齢を重ねると、駐車する時だけでなく、安全維持のサポートがあると有難い場面は増えるでしょう。もちろん若い人の場合も、安心感があった方が良いでしょう。
まだまだ、自動車の完全自動運転化には解決しなければならないことは多いでしょう。高齢化が進む中で、技術の進歩は期待されています。