光ファイバーに使われる信号の色を見たいと思う人は多いでしょうが、覗き込むのは止めた方がよいでしょう。光ファイバー内の光を見てはいけない理由や、電気信号で動作している通信機器に、光信号が使える理由等を紹介しています。
光ファイバー伝送に使われる光の波長は?
光ファイバーの中を伝わる光は、距離が長い程、減衰してしまいます。そして、弱くなる割合は、波長の大きさで異なります。
一般的な光ファイバー伝送では、コストを少なくするため、できるだけ長距離を伝送させたいと考えます。そのため、減衰量が最も少ない、長波長帯の波長(1.3〜1.55μm)を使っています。
但し、距離の短いLANケーブル用途等、減衰量を気にしない場合には、安価な短波長帯(0.85μm)のレーザー光を使います。
可視光の波長範囲
人の目に見える可視光の波長は、0.38μm〜0.78μmのため、光ファイバーに使用される波長帯は、人には見えません。0.38μm〜0.78μmの光は、0.38μm以下で紫外線領域、0.78μmの波長は赤外線領域になります。
つまり、光ファイバーで使用される長波長帯の波長(1.3〜1.55μm)と短波長帯(0.85μm)の波長は、いずれも可視光の波長の範囲から外れているため、人には見えません。
覗き込んではいけない光ファイバー
光ファイバー伝送は、赤外線領域の波長が使われています。人の目には見えませんが、強い光が伝送されているので、色などを確認しようと思っても覗き込まないようにしましょう。強い光は目に損傷を与えるかもしれません。
光ファイバーを直接覗くとどうなるの?
光ファイバーを見た瞬間に、穴が開くとか、失明するというのは、工業用等の別の種類の用途で使用される強力なものです。
FTTH(Fiber To The Home)で使う光ファイバーの波長は、1.3〜1.55μmや0.85μmの赤外線領域です。太陽光に含まれる赤外線のため、一時的に目に入っても恐らく問題はないでしょうが、安全とは言い切れません。光ファイバーを直接覗くのは止めた方が良いでしょう。
光ファイバーの取り扱い説明書にも、覗き込まないように注意書きが記載されています。
FTTHの仕組み
自宅までFTTHで送られた光信号は、ユーザー宅のメディアコンバータと呼ばれる装置で光信号から電気信号に変換されます。逆にユーザーのコンピュータからインターネットに送信される電気信号は、ONUで光信号に変換されます。
メディアコンバータは、ONU:Optical Network Unitと呼ばれています。
電気信号はどうやって光信号に変換されるの?
一般的な通信機器は、電気で動くため、FTTHで送信するには、コンピュータで作られた電気信号は光信号に変換されます。
この変換に使われているのは、半導体レーザー(LD)です。半導体レーザーに一定の電圧が加えると光を出します。この性質を利用して、電気信号のオン・オフを光のオン・オフ信号に変換します。
光信号を電気信号に変換するのは、受光素子が使われています。半導体では、入射光によって電気伝導度が変化する性質を利用しています。
まとめ
FTTHに使用されている、信号の波長は、赤外線領域のため、人には見えない信号です。
FTTH信号は、赤外線領域のため、瞬間的に目に入っても、目に穴を開けるような強烈な障害はないでしょうが、決して安全とは言えません。
そのため、光ファイバーを直接覗かないようにしましょう。
FTTHは、ユーザー宅に配置されているメディアコンバータと呼ばれる装置電気信号を光信号(或いは、光信号を電気信号)に変換して伝送します。