海水は、地球全体の水の2/3以上を占めていると言われていますが、しょっぱくて飲めません。この記事では、海水が出来た状況や、海水がしょっぱい理由、および世界的規模で考えると飲用水が不足している現実などを分かりやすく紹介しています。
海の水がしょっぱい理由
海の水がしょっぱいのは、海水には大量の塩化ナトリウムが入っているからです。
海水の主成分の85%は、塩素とナトリウムですが、これらがくっつくと塩化ナトリウムになります。塩化ナトリウムは、調味料の塩です。
海水の塩分濃度は3.5%ほどですが、なめると相当塩辛いです。これが、海の水がしょっぱい理由です。
では、塩化ナトリウムはどこから来たのでしょうか?
海水に塩化ナトリウムが含まれている理由
地球は、46億年前にできました。できたての地球は、熱くてドロドロした溶岩に覆われていて、海はありませんでした。やがて温度が下がってきて、空気中に含まれる水蒸気も冷やされて、雨が降るようになりました。
当時の地球の大気は、水蒸気だけではありません。塩素ガスやさまざまな火山ガスも漂っていましたが、雨とともに降り注いで、海になりました。
この時、雨で岩から溶けだした成分にはナトリウムが含まれています。ナトリウムが海で塩素と結びついたため、塩化ナトリウムを含んだ海になったのです。
その後、溶岩が冷えて陸地が形成されると、陸地の岩や土壌中にある塩素やナトリウムが雨で溶けだして海に流入します。
雨の元は、太陽で温められた海水の水蒸気ですが、雨になって再度降り注ぎます。陸地に降る雨は、岩や土壌中にある塩素やナトリウムを溶けださせて、河川から海に流入します。
このサイクルは、地球の循環システムのため、長い年月の中で何度もくりかえされ、海水の塩分濃度は上昇していきました。やがて、現在の3.5%の濃度になったのでしょう。
本当に地球上の飲用水は少ないの?
日本では、ちょっと前まで、水はお金を出して買うものではないという概念が主流でした。
現在では、ペットボトルで水やお茶も販売され、美味しくて安全な水を買い求める人の為にレンタルの浄水器まであります。
いつでも安全な水が完備されて、飲みたい時に水道の蛇口をひねるだけで水が飲める国は世界的にみても希少です。
しかも、上水道だけでなく、下水道の整備も進んでいるため、河川などの自然水も保たれています。
そんな日本に住んでいると、多くの大自然が失われる中でも、水不足で苦労を経験した人は少ないでしょう。
ところが、後進国では、安全な水がないために、不衛生な水を飲んで病気になる人や死んでしまう人もいます。
地球の海は、陸地の2/3以上もありますが、しょっぱくて飲み水にはできません。地球の水は、14臆リットルと言われていますが、97.5%は海水で飲むことができません。
人が利用しやすい淡水は、2.5%程ですが、その多くは極地の氷河や氷山です。日本では、毛細血管のように、はり巡らされている河川や、湖があります。
但し、このような水は、世界全体の水の0.01%相当と言われています。
地球規模で考えると、飲用水は不足しています。これからも地球の飲用水は、温暖化の影響や人口増加で、希少でしょう。
まとめ
海水がしょっぱい理由は、次のように説明されます。
海ができる過程で、大気中の塩素ガスや、雨で溶けだした岩石内のナトリウムがくっついて塩化ナトリウム(塩)になったためです。さらに、陸地に降る雨が、岩や土壌中にある塩素やナトリウムを溶けださせて、河川から海に流入させるからです。
海水が3.5%の高濃度の塩分を含むのは、このようなサイクルを長い年月の中でくりかえした結果でしょう。
上下水道がしっかり完備されていて、淡水の河川や湖も豊富な日本では、水不足を殆ど意識しないで済みます。ところが、他国や後進国などでは水不足が深刻です。
地球の水の大半は、しょっぱくて飲むことのできない海水です。地球の温暖化の影響や人工増加で、ますます、人が利用しやすい水は不足していくでしょう。
不衛生な水や、しょっぱくて飲めない海水を浄化する日本の技術は進んでいます。
テレビのコマーシャルでセラミックフィルターによる浄化の方法も知りました。これからも世界に役立つ技術の進化が楽しみです。