雑学

太陽エネルギーが再生可能エネルギーに分類される理由

再生可能エネルギーは、利用する以上の速さで、自然界から補充されるエネルギーのことです。太陽は核融合反応で、1秒間に430万トンもの質量を、光や熱で失っています。これ程、消失しているのに、太陽光を再生可能エネルギーと呼んでも良いのでしょうか?

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスと言われるエネルギー群のことです。つまり、利用して消耗する以上の速さで、自然界から補充されるエネルギーのことを指しています。

言い換えると、再生可能エネルギーとは、使っても使っても有り余るエネルギーのことになります。

太陽エネルギーは太陽から放出されるエネルギーで、太陽光として地球に到達するものです。この太陽エネルギーは再生可能エネルギーに分類されていますが、莫大なエネルギーを失っています。

何故、莫大なエネルギーを失っている太陽エネルギーが、再生可能エネルギーに分類されているのでしょう。

太陽エネルギーとは?

太陽は燃えているように見えますが、実は燃えてはいません。

燃えるという現象は、何らかの物質が酸素と結合する化学変化のことです。例えば、紙が燃える時には、光や熱も出ますが、主成分の炭化水素が酸素と結合して、二酸化炭素や水が出来ています。

燃える時に出る熱は、数100度程度ですが、太陽の表面温度は、6,000℃、中心温度は1,500万℃と推測されています。この温度は、想像を超えています。鉄を作る溶鉱炉内の温度でも2,000℃程であることと比較すると、太陽の中心部温度の凄まじさが判るでしょう。

太陽の熱源は核融合反応

1,500万℃にも達する太陽の中心部の温度は、4つの水素原子から1つのヘリウム原子を作る核融合反応です。

4つの水素原子を融合させて、1つのヘリウム原子を作る核融合反応は、少しだけ質量を減らしてしまいます。エネルギー保存の法則、がなりたつため、減った質量は熱や光のエネルギーに変わります。そして、この時に生じた熱エネルギーで、太陽の中心温度は1,500万℃にもなっていると言われています。

しかし、核融合反応によって太陽は、1秒間に430万トンもの質量を失っています。

そんな勢いで質量を失っている太陽エネルギーは、本当に再生可能エネルギーと言ってもよいのでしょうか?

太陽の質量

太陽は、太陽系の中心にあって、太陽系にある全ての天体と、引っ張り合っています。
太陽の質量は、「2×10の30乗kg」と推測されています。これは、地球の33万倍の重さです。

言い換えると太陽の重さは、太陽系全体の重さの99.8%を占めていることになります。

つまり、太陽は、核融合反応で、1秒間に430万トンもの質量を失います。但し、人の生涯に比べると、無尽蔵のエネルギー源に相当します。

そのため、莫大なエネルギーを放出しているにも関わらず、再生可能エネルギーに分類されています。

ちなみに太陽の寿命は100億歳と想定されていますが、現在は46億歳程です。

これを、人間の人生と比べると、確かに影響しないと考えた方が現実的ですね。

まとめ

再生可能エネルギーとは、人間が利用しても消耗する以上の速さで、自然界から補充されるエネルギーのことです。

太陽の熱源は核融合反応で、1秒間に430万トンもの質量を失っています。そして、太陽の質量は、「2×10の30乗kg」と推測されています。

これは、太陽だけで太陽系全体の重さの99.8%を占めていることを意味します。

そのため、人の生涯に比べると、太陽エネルギーは無尽蔵のエネルギー源と言っても問題ありません。このようなことから、大きな質量を失っているにも関わらず、太陽エネルギーは、再生可能エネルギーに分類されているのです。

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iyasaretaihito
子どもの時から、昆虫や恐竜、宇宙などに興味がある理科大好きな理系人間です。 会社は半導体設計関連会社に勤務して、60歳で定年退職後は趣味に没頭する、のん気なおじさんです。
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