大雨などの影響で、走行中の車の水没事故が増えています。国土交通省は、国内の自動車メーカー(8社)から聞き取り調査をして重要なポイントをまとめています。内容を知っているだけでも、いざという時に慌てないで対処する助けになるでしょう。
車の浸水
近年の天候は、大荒れになることが多く走行中に雨が降るだけで、前が見えなくなって身の危険を感じることもあります。
電車の線路と交差している道路などでは、掘り下げられた場所もあります。そんなところでは、大雨で水が溜まっていることもあります。知らないで走行して車が戻れなくなることもあります。
昨年の秋に、台風の大雨による影響で走行中の車内で亡くなる人が増えました。そのため、国土交通省は、車が浸水した時に起こる不具合をまとめて公表することで注意を促しています。
車の浸水高さごとの不具合状況
国土交通省は、車が浸水した場合の不具合情報を得るために、国内の自動車メーカー(8社)から聞き取り調査をして重要なポイントをまとめています。
- 車内の床面まで浸水している時は、電動スライドドアや、パワーウィンドウが動かなくなることを想定して下さい。車の床面には電気装置が集まっているからです。
- 車の前部にある吸気口や後部のマフラーに水が入ると、エンジンが止まって動けなくなる可能性があります。
- 水が浸水してエンジンが停止してしまった時は、直ちにドアを開けて脱出して下さい。但し、外側の水がドアの高さになると、水圧でドアがあけられなくなります。ドアの半分(床面からルーフまでの高さの半分)の高さになると、人の力では開けられなくなります。
車が浸水してしまった時の対処方法

浸水程度によって、対処方法は異なるため、ケース毎に紹介します。
- マフラーや吸気口に水が入るような水位の場所を走行する時には、エンジンを停止しないで、ゆっくり走行して脱出して下さい。こんな場所でエンジンを止めると、エンジン始動が出来なくなる可能性があるからです。
- ドアが開けられなくなって逃げられなくなった場合は、事前に準備して車内にある脱出ハンマーでドアガラスを割って逃げて下さい。脱出ハンマーが無い場合には、車内に侵入した水の高さが外の水と同じ高さになれば、水圧が同じになってドアは開けられるかもしれません。
水が引いた後の処置
雨が止んで、水没した水が引いた時には、エンジンをかけて様子を見たくなりますが、バッテリー迄、水没した場合は、厳禁です。
エンジンを掛けると、バッテリー付近の水素ガスに引火して、発火する危険があります。
水没したバッテリー系統には、不具合がある可能性があるからです。また、床下の電気装置類が泥水などでリークしていることもあります。
車のディラーや専門業社に見てもらうことをお勧めします。
ポイントのまとめ
最近は大雨などによる、車の水没事故が増えているため、国土交通省が国内の自動車メーカー(8社)から聞き取り調査をして重要なポイントをまとめています。
- 床面まで浸水すると床面に設置されている電気装置類が損傷して、自動スライドドアやパワーウィンドウが作動しなくなることがあります。
- マフラーや吸気口に水が入ると、エンジンが止まって、再始動しなくなります。
- 車の外の水の高さが、ドアの高さの半分になると、水圧差でドアは開けられなくなります。
尚、車の外側からの水圧は考えている以上にすごいため、冠水した道路に入ってしまったら、無理な走行は止めて、出来るだけ早くドアを開けて車から脱出するのが良いでしょう。