ネットの世界では、複数のコンピュータがデータのやり取りをしています。その場合、部屋のドアに相当するするポート番号を開放することでデータが届けられるようになります。Webでは大切な役目をしているポート番号について分かりやすく紹介しています。
ポート番号は何に使われているの?
TCP/IPのネットワーク上では、複数のコンピュータ間で通信しています。この時、どのコンピュータなのかを把握するためにはIPアドレスが必要です。ポート番号は、IPアドレスで確認したコンピュータの、どのプログラムにデータを届ければ良いのかを指しています。
簡単に言うと、ポート番号とは、プログラムの接続口のことで、IPアドレスが示すコンピュータの、どのプログラムにパケットデータを届ければ良いのかを識別する番号のことです。
マンションに宅配をする場合に例えると、IPアドレスはマンションの住所で、そのマンションの部屋番号が、ポート番号です。
注意すべきは、ポート番号を開けることは、部屋のドアを開いた状態にするということと同様という事です。
ポート番号はPCを使う人にどう影響するの?
インターネットサーバ側が提供するサービスのポート番号は、常に開いた状態のため、重要な番号ですが、PC側のポート番号は、セキュリティの観点で毎回変わって、使うたびに自動で開閉します。そのためPC側のポート番号には大きな意味はありません。
但し、PC側のポート番号が開いたままでは、外部から不正に侵入されてしまうため使っていないポート番号は閉じておかなければなりません。
意図的にFTPでデータを送受信した時の終了時などには、ポートの状態を確認すると安心です。
ポート番号の種別(インターネットサーバー側)

ポート番号は、16ビットの整数で、0番〜65535番までと決められていて、さらに番号の範囲で3種類に分類されています。
- ウェルノウンポート番号
ウェルノウンポート番号(WELL KNOWN PORT NUMBERS)は、使用目的が定められたもので、ポート番号の範囲は「0番〜1023番」です。IANA(internet Assigned Numbers Authority)によって管理されています。 - 登録ポート番号
登録ポート番号(REGISTERED PORT NUMBERS)は、特定のアプリケーションやOSで使用するためのものです。IANA が登録と公開をしています。ポート番号範囲は「1024番〜49151番」です。 - ダイナミック/プライベートポート番号
ダイナミック/プライベートポート番号(DYNAMIC AND/OR PRIVATE PORTS)は、誰でも使えるように開放されています。ポート番号範囲は「49152番〜65535番」です。
主なポート番号とは?
使用目的が定められたポート番号には、番号ごとに使用できるサービスが割り当てられています。
次に主なポート番号と通信方式、プロトコル、役割を一覧表で示します。この中で通信方式のTCPは、Transmission Control Protocolの頭文字で、通信相手の状況を確認してから接続する方式で、信頼性の高い通信プロトコルです。これに対して、UDP(User Datagram Protocol)は、アプリケーション同士が最も簡単にデータを送受信できるように考案したプロトコルです。信頼性よりもデータの転送速度を重視したプロトコルです。
ポート番号 | 通信方式 | プロトコル | サービス |
20 | TCP | FTP(データ) | データ送信 |
21 | TCP | FTP(制御) | データ制御 |
22 | TCP | SSH | サーバとの暗号化通信 |
23 | TCP | Telnet | サーバとの通信 |
25 | TCP | SMTP | メール送信 |
43 | TCP | WHOIS | ドメイン情報検索 |
53 | UDP/TCP | DNS | DNSインデックス |
80 | TCP | HTTP | ウェブ閲覧 |
443 | TCP | HTTPS | ウェブ暗号化閲覧 |
ポイントのまとめ
ポート番号とは、プログラムの接続口です。IPアドレスが示すコンピュータの、どのプログラムにパケットデータを届ければ良いのかを識別するための番号です。
マンションに宅配をする場合に例えると、IPアドレスはマンションの住所で、そのマンションの部屋番号が、ポート番号です。
ポート番号を開くことで、データのやりとりができるようになります。この時、部屋のドアは開放された状態です。インターネットサーバ側のポート番号は、PCからの要求にこたえられるように常に開いた状態ですが、PC側は、セキュリティの観点からデータのやり取り後は、数秒以内に閉じる仕組みになっています。