オープンネットワークとは、インターネットのことです。インターネット通信は、TCP/IPプロトコル群で行っていますが、複雑な工程のため、概要説明に留めます。ネットワークを理解するには、最初にクローズドネットワークとオープンネットワークの記事で、概略をつかむのが良いでしょう。
インターネットのルーツ
クローズドネットワークは、企業の「社内ネットワーク」や「家庭内ネットワーク」のような、機器やユーザを限定して、その範囲内で利用するネットワークのことです。
クローズドネットワークに対して、オープンネットワークは、インターネットのことを指しています。
インターネットが開発される前のネットワークは、大学や企業のなどの閉じられた環境で接続するLANが主流だったため、それぞれのLAN内で、独自の回線やプロトコル(ルール)のもとで運用していました。
そんな時代には、独自のルールで運用するLAN同士をつないで通信することはできませんが、お互いのLANを接続して通信できたら便利です。1960年になると、米国の国防総省が、ARPANETというネットワークをつなぐプロトコル(ルール)を開発して、4つのLANを結んだ通信を実現しました。これが、現在のインターネットのルーツと言われているものです。
ARPANETは、複数のLANをつなぐために、通信方法を特定のルール(プロトコル)で統一しています。インターネットは、ARPANETの仕組みにならって「TCP/IP」を誕生させ、「TCP/IP」のルールに基づいて接続されているため、情報のやり取りができるのです。
TCP/IPプロトコル群の概要

TCP/IPプロトコル群は、現在のデータ通信のデファクトスタンダード(事実上の標準)として使われていて、インターネットで接続するPC機器は、TCP/IPプロトコル群を使わないと接続できません。
接続時に行う一連の作業
インターネット接続する時に行っている一連の作業にはどんなものがあるのでしょうか?
データの送受信では、「データをデジタル信号化」→「送信」→「デジタル信号を元の信号に戻す」等の作業がありますが、TCP/IPでは、これらの作業を5段階(または4段階)の階層(レイヤー)に分けて行っています。
各段階の層(レイヤー)は、人に近いところから、少しずつ機械の世界に入っていくイメージで考えて下さい。それぞれの層は、人に近い最上部から「アプリケーション層」、「トランスポート層」、「ネットワーク層」、「データリンク層」、最深部の「物理層」と呼ばれています。
4段階に分ける場合は、最深部の「物理層」を下から2番目の「データリンク層」に合わせて4階層にしています。
階層化する理由
送受信の一連の作業を数段階に分ける理由は、会社組織の仕事に例えると判りやすいでしょう。
例えば、「文書」をA社の社長が、B社の社長に送付したい場合、社長は秘書室に指示を出します。秘書室は、送付先の確認などをして、具体的な作業は総務部に依頼します。総務部は、封書に住所などを書いて、封書を閉じて実際に送付してくれる部署(例えば業務部)に依頼します。最後に、業務部は、B社に封書を届けます。
封書を受け取った、B社の業務部は、総務部経由で秘書室に届けます。秘書室は、封書の内部から文書を取り出して、B社の社長に届けます。
以上は、社長から文書を送付せよと指示が出された時の例ですが、この例のように、会社内の仕事は各部署を経由して必要な対応をした上で、次の部門に送られます。
各部門を層(レイヤー)と考えてください。すると、各部門が行う一連の作業は、他部門とは独立しているため、自部門で行う作業だけすれば良いため作業負担は軽くてすみます。
つまり、階層化することで、階層ごとに作業を独立させることができるようになります。
ポイントのまとめ
インターネットでの通信は、オープンネットワークで、TCP/IPのプロトコル(ルール)で成り立っています。Webサイトの閲覧は、他のコンピュータどうしのデータのやりとりを行うことで実現しています。
現在のインターネットで接続するPCや機器は、TCP/IPプロトコル群を使わないと接続できません。インターネットでのTCP/IPプロトコル群は、事実上の標準になっていますが、送受信に関わる一連の作業は、今回紹介した内容よりも複雑な工程になっています。
複雑な一連の作業工程については、時間をかけて少しずつ理解することにしましょう。