ブルートゥースの名称は、ちょっと変わっています。実際に使っている方でも、無線通信をするものとしか知らない人も多いでしょう。この記事では、ブルートゥース誕生時の用途や名付けられ方などを紹介しています。グッと身近に感じられるようになるでしょう。
ブルートゥースの誕生と命名
ブルートゥースは、無線通信規格の仲間です。ブルートゥースに類似しているものにはワイファイ(Wi Fi)があります。
ブルートゥースは、1999年に北欧の大手通信機器メーカのエリクソン社が中心になって開発したものです。開発当初は、携帯電話やPHSをノートPCに接続して、移動先でもインターネットを利用できるようにするのが狙いでした。
ブルートゥース(Bluetooth)という呼び名にしたのは、北欧のスウェーデンに本社があるエリクソン社が開発したものだったからです。名前の由来は、10世紀ごろのデンマークの王様の呼称にちなんでいます。
この王様は、北欧のデンマーク全域やノルウェーとの統合も行った優れた王様で、青歯王と呼ばれていました。ブルートゥース(Bluetooth)は、地域の統合を行った青歯王から命名したもので、英語のBlue(青)とtooth(歯)から作られています。
ブルートゥース(Bluetooth)と名付けられた理由
ブルートゥースは、北欧のエリクソン社を中心に開発したものですが、製品化する前には汎用性を持たせるため標準規格を作ります。一般的には、通信関連業界の主要メーカのメンバーで構成する委員会で標準規格を議論して規格が作られます。
この標準規格を議論する会議で、米国インテル社のJim Kardash氏が、「携帯電話業界とPC業界を近距離無線で統合」する様子にちなんで、北欧の有能な王様の呼称にしたと言われています。
ブルートゥースは何をするものなの?

ブルートゥースが、無線通信規格だということは判りましたが、無線通信の代表的なものにはワイファイ(Wi Fi)もあります。このワイファイとは何が違うのでしょうか?
ブルートゥースは、近くの製品間との通信を想定しています。そのため、ワイファイ(Wi-Fi)のように建物内などの広い範囲で、複数の機器間で接続することはしません。ブルートゥースとワイファイを比較すると次のような特徴があります。
ブルートゥース | ワイファイ | |
通信速度 | 遅い | 早い |
通信距離 | 近距離のみ | やや広い |
消費電力 | 少ない | 多い |
主な用途 | イヤホン、マウス、キーワード、マウス、スピーカ等 | ルーター他 |
ブルートゥースの通信距離
ブルートゥースは近距離の個別の機器を接続するためのものですが、出力が大きくなれば通信距離も長くなるため、下表のように3つにクラス分けされています。
ブルートゥースのクラス | 最大出力 | 通信距離 |
クラス1 | 100mW(日本:50mW) | 100m |
クラス2 | 2.5mW | 10m |
クラス3 | 1mW | 1m |
但し、通信距離は、受信側の機器性能の影響を受けるため、あくまで目安です。さらに、日本の電波法では50mWが上限のため、クラス1の場合でも通信距離は抑えられています。
ポイントのまとめ
ブルートゥース(Bluetooth)は、北欧の大手通信会社が中心になって開発したもので、携帯電話業界とPC業界を近距離無線で統合する様子から、10世紀ごろに北欧を平和的に統合した王様の呼称(青歯王)を、英語のBlueとtoothで記載して命名したとされています。
ブルートゥースは、近距離の製品間で通信するための無線通信規格で、2.4GHz帯の電波で通信します。ブルートゥースは、TDD方式を使っているため、上りと下りの信号ブロック数の割合を変えるだけで一方向だけの通信速度を高速にすることも出来ます。
TDD方式
TDD方式とは、アップロードする上りと、ダウンロードする下りの双方向伝送ラインを、時間で分けて交互に送信する方式のことです。
上りと下りの比率を変えることで送信データ量を変えることができる特徴があるため、PCとプリンター間のように、下りだけを高速伝送にしたい時などに便利に活用できます。
近距離の無線通信に使われるブルートゥースは、今後、さらなる高速化などで進化して、多くの用途に使われていくことでしょう。