電子データの圧縮は、通信速度を速めることや、無駄が無いようにデータをコンパクトにして保管できるため、重要な技術です。この記事では、データ圧縮の意味と、圧縮する仕組みなどについて、分かりやすく紹介しています。
圧縮の意味

一般的な用語としての圧縮は、圧力を加えるなどして、容積を小さくすることです。ネットワークデータなどの電子データの圧縮の場合は、データを一定の割合で加工して、データの中身を損なわないようにして容量を減らすことです。もちろん、圧縮したデータは元通りに復元することが求められます。
データ圧縮の役目
電子データを圧縮する意味は、データを圧縮して、小さくすることで、保管する容量を削減することと、通信する時に占有する時間や容量を小さくして装置などの負担を軽減することです。
データ圧縮とはどんな仕組みなの?
データ圧縮には様々な方式がありますが、データを圧縮するとは、次のようにしてデータを小さく表現することです。
例えば、次のような電子データを、送信しようとした時、このままでは、随分長いデータです。
「10001111000001111000111」
上のデータを、ある約束事に従って次のように表記するとどうでしょう。
「11304150413031」
先頭の11の意味は、1が1つです。
30の意味は、0が3つ続きます。
41は、1が4つ続きます。
50は、0が5つ続きます。
41は、1が4つ続きます。
30は、0が3つ続きます。
31は、0が3つ続きます。という意味です。
データを送られた側でも、この約束がどうなっているのかを知らされていれば、
簡単にデータを復元して元に戻すことができます。
データを圧縮した場合のメリット
電子データを圧縮すると、通信する場合には、送信速度が早くなります。実際にデータ量が小さくなるので電波は節約できます。
但し、送信する際には、圧縮して、受信後に復元という手順があるため、場合によっては端末や交換局に負荷をかけることもあります。先程の先頭のデータでは、元のデータは、1でしたが圧縮後に11になって、増大しています。
圧縮率の意味
圧縮率とは、電子データが、元のデータに対してどれだけの割合で圧縮したのかを示したものです。
可逆圧縮と非可逆圧縮
可逆圧縮は圧縮したデータを完全に元通りに復元する方式ですが、非可逆圧縮は一部のデータが変形や破壊して消失してしまう場合です。
非可逆圧縮の場合は、圧縮率が高い場合などで生じます。高い圧縮率を得るために、しかたなく完全には復元することができなくなったと言った方が近いでしょう。
非可逆性圧縮にならざるを得ないデータは、容量の大きな、画像や映像、音声などで、元々のデータにある程度の余裕度というか、復元した時に多少違っても人の感覚では気が付きにくいようなデータの場合に使用されます。
まとめ
データの圧縮は、一定の割合で加工して、データの中身を損なわないようにして容量を減らすことです。
圧縮のメリットは、通信する場合には、送信速度が早くなって電波を節約できます。また、データの大きさが小さくなるため、メモリー容量も節約できます。
圧縮方法には様々な方式がありますが、漫然と並んだデータに意味を持たせて、まとめる等の方法で圧縮しています。通常は完全に復元する可逆圧縮です。
非可逆的な圧縮方式は、元々のデータの容量が大きくて、圧縮率を高めたい場合で、かつ復元した時の余裕度が大きくて、データが多少損傷しても気付きにくい画像や映像、音声などで使用されています。