固定電話では、双方の電話が交換機を介して電話線で繋がります。電話は、相手の位置がわからなければ接続できません。では、移動可能な携帯電話は、どのようにお互いの位置情報を把握しているのでしょう。この記事では、接続方法を分かりやすく紹介します。
固定電話同士の接続
固定電話どうしの会話では、お互いの固定電話が電話線で交換機を介してつながります。
具体的には、貴方が接続先の電話番号をダイヤルすると、交換機に信号が伝わります。交換機は相手の電話番号に呼び出し音信号を送ります。相手が受話器(電話機)をとると、信号を検知した交換機は、貴方の電話機と先方の電話機をリレーなどで接続します。
大雑把な説明ですが、これで固定電話での会話ができるようになります。
では、携帯電話の場合はどうでしょうか?
携帯電話の通信方法
携帯電話は、無線で通話しているように見えます。ところが、無線で電波を飛ばしているのは、貴方がいる最も近い無線基地局と、通話する相手の最も近い無線基地局の間だけです。
貴方が電波を飛ばしている基地局と、通話相手の無線基地局間は、有線で接続しています。
移動可能な携帯電話なのに通話相手の所在地が分かる理由
固定電話では、自分も相手も常に決められた場所に置かれた電話で会話するため、交換機で接続することができます。但し、携帯電話の場合は、自分も相手もどこにいるのか決まっていません。
携帯電話の通話可能域は、数100メートルから数キロメートル毎に無線基地局を中心にしたセル範囲で区分けされています。
携帯電話は、頻繁に自分の現在情報を制御コンピュータに知らせています。
そのため、通話をしていない時でも、携帯電話に電源が入れば定期的に電波を飛ばして、居場所を無線基地局に連絡しています。
相手の携帯電話も、同様に位置情報を無線基地局に飛ばして、制御コンピュータに情報を伝えています。
このような対応は移動中でも行われています。移動中は、無線基地局を切り替えなければなりません。但し、制御コンピュータは無線基地局のカバーエリア(セル)をスムーズに切り替えて、動作しています。
携帯電話に最も近い無線基地局はどうしてわかるの?
空気中の電波の強さは距離が2倍になると、1/4に減衰します。携帯電話に最も近い無線基地局の把握は、この電波の性質を利用しています。
つまり、携帯電話に届く電波の中で、最も電波強度の強い無線基地局が、最も近いことになるからです。
まとめ
固定電話どうしの会話では、お互いの固定電話の所在地は変わらないため、交換機を介して電話線でつながります。ところが、移動可能な携帯電話では、居場所を把握するため、現時点の位置情報を制御コンピュータに連絡しなければなりません。
携帯電話は、無線で通話しているように見えます。ところが、電波を飛ばすのは、貴方がいる最も近い無線基地局と、通話する相手と最も近い無線基地局間だけです。
携帯電話に最も近いエリアにある無線基地局の特定は、距離が遠くなれば強度が減衰するという電波の性質を利用しています。
携帯電話の通話方法は、次の方法です。
携帯電話は、定期的に所在情報を無線基地局に送ります。そのため、制御コンピュータは、位置情報を特定できるのです。
移動中の携帯電話は、制御コンピュータが無線基地局のカバーエリア(セル)をスムーズに電波強度の強いセルに切り替えています。
こんなことは、人にはできません。全て、制御コンピュータのおかげです。