砂糖は、種類によって色が違います。黒色の黒砂糖、茶色の和三盆、薄茶色の三温糖や、白色の上白糖、グラニュー糖などの違いは何でしょう。記事では、砂糖の色が違う理由を、製造工程とともに分かりやすく紹介しています。これで、砂糖への理解は深まります。
砂糖の色が違う理由
砂糖には、黒色や茶色、薄茶色、真っ白のものなどがあります。消費者は、色の違いに敏感ですが、理由を知らない方が殆どでしょう。
砂糖の色の違いは、製造方法によるものでした。砂糖の色の違いは、製造工程を経ながら、黒色の砂糖が茶色になって、最後には真っ白な砂糖になります。
日本では、サトウキビから作られる砂糖がメインです。また、北海道で栽培されるテンサイからも作られていました。今回は、サトウキビで紹介します。
砂糖の製造方法
次に、サトウキビによる砂糖の製造方法と、主な砂糖の種類がどんな風に作られるのかを紹介します。
- サトウキビの収穫
毎年、12月〜3月頃には、沖縄県などのサトウキビ畑で竹筒のようなサトウキビの茎が収穫されます。それらの多くは、人力による刈り入れで行います。その後で、葉や根を取り除いた茎を束ねて搬出します。 - 製糖工程①
製糖工場に搬入されると、品質検査と重量の測定を行った後、圧搾機で圧搾汁と絞りカスに分離します。絞りカスは、製糖工場の燃料として使われます。圧搾汁は、ゴミや不純物を取り除くために、石灰とともに煮込みます。 - 製糖工程②
煮込み汁は、不純物を取り除きながら、さらに結晶になるまで煮込みます。 - 製糖工程③
結晶になった煮汁を遠心分離機にかけて、さらに結晶と不純物が分離されます。
以上の工程を通って、砂糖は作られています。砂糖の色の違いは、どこまでの製造工程で作られたものかで決まると言われています。次に、砂糖の主な種類毎に、どのような工程で作られたものかを示します。
黒砂糖
製糖工程①の圧搾汁を石灰とともに煮込む工程で、汁を煮込み続けた結果、固形物になったものが、黒砂糖になります。
和三盆
和三盆(わさんぼん)は、高級和菓子に使われる砂糖です。和三盆は、製糖工程①の圧搾汁を石灰とともに煮込む工程で出るサトウキビ汁を、さらに煮詰めて出来る結晶です。
この結晶を布で包んで絞り出し後に、少量の水を加えた洗浄後に作られます。色は、茶色です。
上白糖
製糖工程②を経て、甘味成分のショ糖以外の不純物を全て取り除いた結晶を、製糖工程③の遠心分離機にかけるとショ糖ができます。
ショ糖の白い結晶に、さらにショ糖を果糖とブドウ糖に加水分解した、転化糖と言われるものをまぶせたものが、上白糖です。
三温糖
三温糖は、製糖工程③を経て、上白糖を取った後に残された糖液を、さらに繰り返し煮詰めることで作られます。
三温糖は、熱を繰り返し加えるため、カルメラ成分が出来て薄茶色になります。
グラニュー糖
グラニュー糖は、上白糖を作る工程の、遠心分離機にかけた後にできるブドウ糖と果糖が結合したショ糖が、結晶化したものです。
グラニュー糖のショ糖の純度は最も高く、99.9%の純度があります。
まとめ
砂糖の色の違いは、製造方法によるものでした。不純物を取り除いて純度が高くなると、より白色化します。
最も不純物を取り除いたものが、白砂糖でした。
日本の一般家庭で、最も使われる砂糖は、上白糖ですが、世界ではグラニュー糖が最も使われています。
尚、黒砂糖の方が、白い砂糖よりもミネラル成分が含まれているため、体に良いという考え方もあります。但し、必要な栄養素は他の食材から摂取する方が効率的です。
白い砂糖は、色付の砂糖よりも栄養価が落ちると言われてきましたが、それは間違いでした。どんな原料で作った砂糖も、不純物を取り除くことで、透明なショ糖の結晶になります。
つまり、砂糖の色による違いは、殆どないと考えて良いでしょう。