優しい目をしたヤモリは寒冷地以外の日本中に生息しています。ヤモリは、ツルツルの垂直のガラス面を登ることもできます。素晴らしい吸着力ですが、足裏には吸盤はありません。ヤモリの足裏構造は、まだ研究中ですが、分かってきたことを紹介しています。
ヤモリの足裏構造
数年前に実家の小さな物置小屋を解体した時に、ヤモリという生物を始めてみました。トカゲのような姿をしているので、気持ち悪いという方もいると思いますが、涙でうるうるした優しい目をしています。
ヤモリを調べてみると、寒冷地以外の日本中に生息していました。直ぐに好きになってしまいました。
その後、窓ガラスを垂直に登るヤモリを見るようになりました。ヤモリの足の吸盤はすごいなと感じていましたが、ヤモリの足裏には吸盤はありません。
ヤモリの足裏に吸盤がないのに、どうして、ヤモリは、ツルツルした垂直のガラスを登れるのでしょう。
ヤモリの足裏の秘密
ヤモリの足裏には吸盤はありませんが、代わりに微細な剛毛はあります。剛毛の先端は枝別れしていて、さらに先端はヘラ状になっています。
ヤモリの足裏にあるヘラ状の先端は、静電気のような吸着力を持っています。
ヤモリは、足裏のヘラ状部が持つ、特殊な吸着力を使ってどんな所にもはりつくことができると言われています。
学問的に見たヤモリの吸着力
ヤモリ以外の生物は、粘液系の分泌液や、ツメを食い込ませるなどの方法で物にくっつきます。
ヤモリの吸着方法は、乾燥接着という複雑な方法でした。乾燥接着は、ファンデルワールス力という現象です。
ファンデルワールス力とは、原子内の電子が磁場を作った時に、隣り合う原子内の電子が引き寄せられる力のことです。
但し、このファンデルワールス力は、原子間に働く力では最弱と言われています。
つまり、ヤモリは、最弱のファンデルワールスをうまく操っていたのです。
ヤモリの吸着力を生み出すもの
ヤモリの吸着力の秘密は、ファンデルワールス力という弱い引力が生み出します。但し、これだけではなく、足の指に生えている剛毛の先にあるヘラ状の毛の存在も大きいそうです。
ヘラ状の形状が接着面積を最大化させて、驚異的とも言えるようなくっつき力を作り出しているようです。
もう一つ、ヤモリの足裏のすごい所
ヤモリは、ツルツルした垂直のガラス面でも登れます。
但し、歩くことを考えると、強力な吸着性だけではダメです。足を前に進めるには、簡単に剥がせる吸着力も要求されるからです。
ヤモリの吸着力は、剛毛の角度に秘密がありました。
近年の研究で、ヤモリは、剛毛の角度を変えることで簡単に剥がせることが分かってきました。。
まとめ
ヤモリの足裏の吸着力には、他の生物が持っていない特別な秘密がありました。
ヤモリの足裏の吸着力は、まるで、静電気のような働きをしていて、原子間に働く弱い吸引力を使ったものでした。
これを実現させるため、ヤモリの足裏には、微細な剛毛と接着面積を最大化させるための、先端部のヘラ状構造を足裏にもっています。
しかも、剛毛の角度を変えると、吸着力が変わるため、自由に歩き回れるようです。
ヤモリがもっている素晴らしい吸着力の研究は続けられています。成果が楽しみです。