衛星放送の仕組みや、BS放送、CS放送について、分かりやすく紹介します。大雑把な内容ですが、一般の方が知りたい内容を盛り込んでいます。しかも、空き時間に読めます。衛星放送の世界が思っている以上に身近に感じられるようになるでしょう。
衛星放送の仕組み
衛星放送の仕組みを見てみましょう。
- 地上の地球局から人工衛星(通信衛星)に向けてTV番組を載せた電波が送信されます(アップリンク)。
- 地球局からの電波を受信した人工衛星は、トランスポンダと呼ばれる中継器を介して地上に向けて電波をダウンリンクします。この電波を地上のアンテナで受信することで、テレビ放送を見ることが出来ます。
これが、衛星放送の概要です。
衛星放送の構成
衛星放送は、人工衛星(通信衛星)と同じように、地球局・人工衛星およびトランスポンダで構成されています。
- 地球局からテレビ放送電波を人工衛星にアップリンク。
- 地球局からの電波を受信した人工衛星は、搭載しているトランスポンダによってテレビ放送電波の増幅や、周波数を変えることなどをしています。。
- 地上では、ダウンリンクされた電波を、BSまたはCS衛星放送用のパラボラアンテナで受信してテレビ受像機で映像を映し出します。
BSとCSの意味と違い
衛星放送には、BS放送とCS放送があります。
BSは、Broadcasting Satelliteの略で、テレビ放送を目的に開発されたものです。そのため、トランスポンダは大出力で大型のため、搭載数が少なくなります。このため、BSチャンネル数は少なくなります。
CSは、Communication Satelliteを略したものです。CSの本来の目的は、データ通信の衛星通信用として作られたものを衛星放送として活用しています。元々は、通信衛星用として設計されているため、トランスポンダは小出力ですが、小型のため多数搭載しています。そのため、CSは、多チャンネル化できます。
但し、CS放送用の通信衛星の中には例外もあります。それは、BS放送用の放送衛星と同じ場所に配置されている場合です。
BS放送用は、東経110度ですが、このCSの放送衛星も同じ、110度に配置されています。
このような場合は、区別がつくように「東経110度CS放送」と呼んでいます。この場合は、BSとCS共用のパラボラアンテナで受信可能です。
BSもCSも静止衛星のため、高度は36000kmに打ち上げられています。
BSとCSは、何故アンテナが違うの?
BSとCSは同じ軌道上を周回しています。そのため、衛星の位置が重ならないようにしなければなりません。つまり、意図的にアンテナの受信角度を変えています。このような理由で、アンテナは別のタイプにしています。
また、BS放送とCS放送の周波数帯域は、次のように異なります。
BS放送・・・11.7GHz〜12.2GHz
CS放送・・・12.25GH〜12.75GHz
衛星放送のアンテナの向きは、なぜ南西方向なの?
近年では、高性能電池がありますが、古い時代には、太陽発電のみで放送していました。ところが季節によっては、衛星に太陽光線が届かない時間帯があります。
当時は、重いバッテリーを使うことや、夜中の特定時間を休止するなどして、しのいでいました。
そして、この時に、衛星放送の休止時間帯を深夜から早朝に合わせるため、アンテナの方向を決めました。
現在の技術なら、アンテナの向きの自由度は大きく改善しています。但し、アンテナの方向は多くの家庭で南西方向に設置しているため、現在でもそのままにしていると言われています。
また、BS放送もCS放送も高周波を使っているため、雨によって電波が吸収されて放送障害を起こす欠点があります。
まとめ
衛星放送は、人工衛星(通信衛星)と同様に、地球局・人工衛星およびトランスポンダという中継器で構成されています。
ここで紹介した内容は大雑把です。但し、衛星放送の仕組みや、BS放送、CS放送についての意味や違いなどを理解出来るでしょう。