記事では、携帯電話やスマートフォンが行っている位置情報の仕組みを紹介しています。また、GPSとA-GPSのやり方を分かりやすく表現しています。分かりそうで分からないことを、少しずつ明確化していくことで、もやもやした気持ちも吹っ飛ぶでしょう。
現在の位置情報はどうやって表示しているの
スマートフォンや携帯電話で地図を検索すると、分かりやすいように自分が今いる地点を中心にして表示してくれます。
とても便利ですが、どのようにして自分の位置を確認しているのでしょうか。
GPS による位置情報の検出方法
GPS(Global Positioning System)とは、全地球測位システムのことです。この方法は、多くの方がご存知のように、人工衛星からの電波を受信して、受信点の位置を計算で求めています。
電波が進む速度(299,792,458km)は一定のため、人工衛星が電波を照射してから到達するまでに要した時間から、地球のどの位置にいるのかが算出できます。
但し、人工衛星1個だけのデータでは、人工衛星を中心に描いた地球上の球面のどこかまでしか分かりません。
もしも、3台の人工衛星から電波を発射して交点を求めれば、地球上のどこにいるのか正確に判ります。これが、GPS による位置情報検出の方法です。
この方法は、計算で求めるため、電波の受信時刻は正確でなければなりません。
また、多くの人工衛星が地球の周りを周回しているため、衛星の数には困りません。但し、高層ビルの陰にいる時などには、位置精度は悪くなります。
A-GPSという手法
A-GPSとは、GPSを補足して正確な位置情報を把握する手法です。A-GPSはAssisted-GPS(GPSを補助します)の略です。例えば、3台の人工衛星を4台にします。
そして、位置情報センターなどに受信データを送って、計算や補正データを加味します。これらの情報を携帯やスマートフォンに送り返すことで、より正確な位置情報を表示しています。
A-GPS の場合は、屋内でも20メートル程度の精度が期待できます。(屋外では、5m〜10mの精度)
GPSをONにしないとどうなるの?
携帯やスマートフォンのGPSをONにしないと、自分の現在地からの地図情報は表示されません。但し、携帯やスマートフォンのデフォルト設定では、「位置情報」がONになっています。
そのため、SNSなどを送信すると、自分が今いる場所の情報も送信されてしまう可能性があるので、気をつけて下さい。
では、何故デフォルトで「位置情報」がONなのかというと、実はさまざまな便利機能に使われているからです。例えば天気予報を見たい時に、自分の近辺情報が表示されるのは、「位置情報」のおかげです。
但し、このようにどっぷりつかってしまった便利な環境を手放すのは辛いでしょう。SNSなどをする時には位置情報をOFFにして使用するのが良いと思います。面倒ですが、しょうがないですね。
尚、スマートフォンなどのデフォルトの位置情報は、GPSがOFFになっていても動きます。Wi-FiやGoogleマップなどと連動して履歴が残るからです。
まとめ
GPSは、携帯電話やスマートフォンなどで、自分の位置情報を含めた地図を表示してくれるのでとても便利です。
GPS による位置情報検出方法は、3台の人工衛星による電波の交点で、地球上のどこにいるのか正確に判ります。計算で求めるため、電波の受信時刻は正確でなければなりませんが、多くの人工衛星が周回しているため、衛星の数には困りません。
ただし、高層ビルの陰にいる時などには位置精度は悪くなります。
そこで、精度向上のために対応しているのがA-GPS(Assisted-GPS)です。A-GPS は、3台の人工衛星を4台にするなどして精度の向上を図ります。
さらに、位置情報センターなどに受信データを送って、計算や補正データを加味します。このような対応で高精度化を実現しています。
これらの情報を携帯やスマートフォンに送り返して、より正確な位置情報を表示します。