IP電話は値段が安いですが、会話中に通話が切れてしまった経験者もいて、不安だけが先走り勝ちです。この記事ではIP電話の通信方式を分かりやすく紹介しています。通話が切れる経験をした方でも、理由が判れば納得するでしょう。
IP電話ってどんなものなの?
IP電話というのは、人の声をデジタルデータに変換して、インターネットプロトコル(IP)で転送するものです。IPは、インターネットの規定で通信することを意味しています。
インターネットは、「ネットワークを相互接続する」しているため、IP電話には、LANとLANを相互接続するためのルーターが必要です。
人の声をデジタル信号に変換して転送するのは、CDの音楽データをPCに取り込んでファイル転送するのと同じようなものですが、CDの場合は、全てのファイルデータを転送しないと音楽を聴くことはできない仕様になっています。
電話の声はリアルタイムで転送するため、デジタルデータをパケット方式の「かたまり」で送るIP電話では、回線が混雑して安定した間隔でパケット転送されないこともあります。
そのような時には、声が途切れて会話が出来なくなります。
IP電話で回線が混むと声が途切れてしまう理由
普通の電話の音声データは、専用の通信経路を確保して発信者と受信者が会話するため、会話中の回線内にじゃまは入りません。
IP電話の場合は、web閲覧や、ファイル転送、メール送受信などと同じ通信経路を共有しているため、混雑が激しくなると他のパッケットに帯域を塞がれて会話が途切れることもあります。
現在使われているIP電話

IP電話は、インターネットに接続して音声通話をする方式ですが、現在使われている個人向けのIP電話には、NTTのひかり電話などの「0AB-J型」、番号の頭に050を付ける「050型」、さらに「電話番号不要型(LINE、スカイプなど)」があります。
0AB-J型
「0AB-J型」は、一般電話と同じ10桁の電話番号が割り当てられています。通話遅延が起こりにくいように厳しい規定が設定されていて通常の電話と同等の通話品質を追求したモデルです。
「050型」
「050型」は、050から始まる11桁の電話番号になっていて、スマートフォンからも通話できますが、「0AB-J型」のような厳しい規定がないため、通話品質に影響することもありえます。
なお、050番号はインターネットプロバイダーによって割り当てられるため、プロバイダーを変更する時には電話番号も変わります。
「電話番号不要型」
このタイプは、LINEやスカイプなどの電話番号がないものです。
「電話番号不要型」は、従来の回線交換方式とは異なっていて、web上の仲介サーバーを通してデータ変換した音声を送るVoice over IP技術通信によって通話しています。
ポイントのまとめ
IP電話は、人の声をデジタルデータに変換して、インターネットプロトコル(IP)で転送するもので、LANとLANを相互接続するためのルーターが必要です。
電話の声はリアルタイム転送ですが、デジタルデータをパケット方式の「かたまり」単位で送るIP電話では、回線が混雑する時には、安定した間隔でパケット転送されないこともあります。
そのため、NTTのひかり電話などの「0AB-J型」では、通話遅延が起こりにくいように厳しい規定を設定して通常の電話と同等の通話品質を追求しています。
「050型」は、050から始まる11桁の電話番号で、スマートフォンからも通話できますが、「0AB-J型」のような厳しい規定がないことから、場合によっては通信品質に影響してしまうこともあります。