近年、ドローンは、世の中に浸透して、玩具というよりも災害の時の状況把握や、高い場所の点検などにも活用されるようになりました。これからも、増々ニーズは拡大していくでしょう。この記事では、ドローンの由来などを簡潔にまとめて紹介しています。
ドローンの名前の由来
遠隔操作で操縦する飛行機は、1930年代になって無線技術が発展したため、有人の複葉練習機を無人機に改造したものでした。
改造した複葉練習機は、地上からの射撃練習用に改造したものです。複葉練習機の機体から標的となる幕を垂らしたものですが、万一機体に当たってしまったことに供えて無人機にしたのです。
これを実施していたのは、英国ですが、見学した米国高官は、米国でも同様の機体が必要と認識して、1940年代に無人機を開発しています。
米国で開発した無人機は、ターゲット・ドローンと名付けられました。このドローンという名称が、今日のマルチコプターの「ドローン」の起源です。
ドローンの意味
英国の標的無人機は「女王蜂(Queen Bee)」という名称でした。複葉練習機のプロペラは、蜂の羽音のような音だからです。
米国の(ターゲット)・ドローンは、英国の女王蜂という名称にちなんで「(標的)のオス蜂」という意味にしました。
今日、人気となった電動マルチコプターは、蜂の羽音のような音を出します。そのため、ドローンという名称はピッタリです。
ドローンの歴史
米国の(ターゲット)・ドローンは、1940年代に作られましたが、4つのプロペラで飛ぶアイデアはもっと古くから考えられていました。大雑把な開発経緯は次のようなものです。
- 1907年に、4つの複葉回転翼で浮上実験に成功
フランスのブレゲー兄弟は、浮上実験に成功。但し、制御能力はありませんでした。 - 1920年代には、単一エンジン駆動で、ヘリコプター飛行と認定される機体の開発。
フランスのオヒミヘンが、開発したものです。浮上用の4つのローターと移動・制御用として8つのプロペラを持っている、有人のマルチコプターでした。国際航空連盟からヘリコプターと認定されています。 - 1989年にキーエンス社がジャイロソーサーを開発
日本のキーエンス社は、機械式のジャイロを搭載して、ニッカド電池でプロペラを駆動させた画期的なマルチコプターを開発しています。 - 1999年にはカナダから、2006年にはドイツから電動マルチコプターが販売されています。
- *2010年になると、フランスのパロット社から「ARドローン」が発売されて、おもちゃとして広く普及するようになりました。
- *2012年には、中国のDJI社によるFhantomシリーズが発売されて世界的に普及しています。
- *2013年には、米国の3D Robotics社からIrisが発売されてドローンの3大メーカーが揃いました。
その後、ヘリコプターの開発が進んだため、暫くマルチコプターの実用化は遅れました。
まとめ
ドローンはあっという間に世間に認知されてしまいました。最近では、おもちゃというよりも社会に貢献する必須の機械になっています。
ドローンと言う名称は、蜂の羽音というのは分かりやすいですが、無人の標的機が起源だったとは驚きです。
ドローンの潜在能力を考えると、増々社会的なニーズが広がるでしょう。