冬が終る頃は、寒暖の日を繰り返すため、暖房の灯油を使い切るのは難しいです。ところが、ストーブなどの取扱い説明書には、去年の灯油は厳禁と記載されています。この記事では、古い灯油を使うとどんな危険を含むのか等をわかりやすく紹介しています。
古い灯油が危険な理由
古い灯油は、ストーブの芯にタールが付着した時に問題になります。ストーブの芯にタールが付くと、着火できないことや、緊急消化機能が作動しても、消化しないこともあるからです。
タールの粘りは強いため、芯が落ちなくなって、消化しなくなります。
尚、国民生活センターが行った実験では、次のような不具合が確認されています。
- 石油ストーブ
*ストーブの内部が錆びて芯が動かなくなってしまった。 - ファンヒータ
*点火出来ない。
*燃焼した後で、刺激臭の煙がでるようになった。
*点火不安定な燃焼になって、エラー表示が出てしまう。
*ファンヒータの内部が錆びてしまった。
灯油が変質してしまう理由
灯油が変質する原因は、長期保管によって石油に水分を含んでしまうことや、紫外線による劣化などが考えられます。
上項の国民生活センターの実験は、次のように不具合になり易い条件にして行っています。
- 石油に水分や、他の油を含ませたものにして放置。
- 灯油は、専用の保管容器ではなく、白色で紫外線を透過しやすい容器に入れて、変質させたものを使用。
ポリ容器の種類による劣化進行
ストーブに入れる前の灯油保管は、赤や青色の保管容器を使います。灯油の容器を赤や青色に着色する理由は、灯油を劣化させる原因になる紫外線を透過しにくくするためです。
国民生活センターの保管灯油の実験では、白色のポリ容器の場合、半月ぐらいで、劣化が見られました。国民生活センターの実験では、灯油をコップに入れて、変色状態を確認しています。
通常の灯油は、無色透明ですが、劣化した灯油は少しだけ黄色くなっていました。
この時の実験では、着色された専用の灯油保管用のポリ容器では、2ヶ月間でも変質していませんでした。
去年の灯油の処分の仕方
冬場に使った灯油を使い切るのは難しいです。タイミングを合わせようとしても、残ってしまうでしょう。
ガソリンスタンドに持ち込むと、処分してくれます。ガソリンスタンドによっても対応は違うでしょうが、私が普段、給油している所では、廃棄灯油は、コチラという表示がありました。
まとめ
残っている灯油を破棄するのは、もったいないと感じてしまいますが、やはり古い灯油を使った問題は出ていました。
原因は、灯油がタール成分化して粘るため、ストーブの芯に付着してしまうからです。そうすると、着火しなくなることや、燃焼が不安定になるだけでなく、緊急時に消化してくれる機能が作動しなくなることもあるようです。
古い灯油があったら、ストーブを壊してしまうかもしれないため、ガソリンスタンドなどで廃棄処分してしまいましょう。
尚、このような不具合は確率的には少ないでしょう。但し、万一自分の家族等の関係者が、不具合に遭遇してしまったことを想像して下さい。確率が低いからと言ってすむ問題ではありません。
万に一度の出来事でも、自分に起きれば、100%です。