主要駅や空港には、移動体通信事業者が無料でWi-Fiを提供しています。移動体通信事業者は、電波を使ってくれれば儲かるはずです。無料Wi-Fiがあれば携帯やスマホの利用者は、大助かりです。何故、無料Wi-Fiのようなサービスをするのでしょう。
移動体通信事業者が無料でWi-Fiを提供する不思議
お店やカフェなどにあるWi-Fiスポットは、顧客を呼び込むためのサービスです。但し、主要駅や空港には、移動体通信事業者が提供している無料のWi-Fiスポットがあります。
移動体通信事業者は、顧客がスマートフォンなどで電波を使ってくれれば通信料の収益になります。それにも関わらず、無料のWi-Fiを提供しています。
何故、移動体通信事業者は、無料のWi-Fiを提供しているのでしょう。
移動体通信事業者が無料のWi-Fiを提供する理由
スマートフォンや携帯の電波は、特定の周波数帯が割り振られています。そのため、人が集中して混雑する駅や空港では、割り当てられた周波数帯では不足してしまうこともあります。
そのため、通信が滞ることや、通話できなくなることも想定されます。
移動体通信事業者は、通話できない事故が起こると信用を失うために、周波数帯の混雑を避けようとします。
Wi-Fiの電波を使えるエリアは、半径200メートル程度です。そのため、混雑する駅の利用者だけを対象にすることができます。
つまり、駅の無料Wi-Fiは、混雑するエリアで、携帯電話の電波の奪い合いを回避していました。
駅の無料Wi-Fiは、最適な「データオフロード」の役目をしていたのです。
データオフロードとは?
オフロードは、積み荷を降ろすという意味があります。つまり、データオフロードは、次のような対応のことです。
データの重いAシステムの負荷を、別のBシステムに肩代わりさせて、Aシステムの負荷を軽減する仕組みのことです。
携帯電話では、駅のような混雑している場所では、データオフロードとして、Wi-Fiを活用していたのです。
Wi-Fiの方にデータ通信を振り替えて、携帯電話の速度の低下や繋がりにくさを回避していました。
移動通信システムをWi-Fi化しない理由
駅のWi-Fiは、とても便利です。
そのため、移動通信システムをWi-Fi化すれば、もっと便利になりそうですが、実はうまくいきません。次のような理由があります。
- Wi-Fiの電波の到達距離が短いため、多くのアクセスポイントの設置要。
- 多くのアクセスポイントの保守・運用をしなければならない。
- 携帯やスマホ利用者が移動することで、アクセスポイントが変わるローミング発生のためにネットワークへの負荷大。
まとめ
人が密集するエリアでは、多くの人が携帯電話に接続した際に、通信に支障がでる可能性があります。
駅の無料Wi-Fiは、混雑するエリアで、携帯電話の電波の奪い合いを回避するために行われているサービスでした。
駅や空港の無料のWi-Fiスポットは、携帯やスマホから、別の通信方式(Wi-Fi)に誘導していたのです。