太陽の磁気嵐とはどういうもので、どんな影響を地球に及ぼすのかを、紹介しています。磁気嵐は、現時点では、防ぐことはできませんが、雷サージ対策は、送電システムから家庭内の電源サージ対策まで進化しています。人の技術は磁気嵐も克服するでしょう。
太陽の磁気嵐とはどんなものなの?
太陽は、中心部で核融合反応をして超巨大なエネルギーを宇宙空間に放出しています。このエネルギーが1時間放出されるだけで、地球上の全人類が50年間に消費するエネルギーに匹敵します。
想像することすらできませんが、超巨大なエネルギーということだけは分かります。
太陽の磁気嵐とは、太陽から放出されるエネルギーの中でも特別巨大なものです。この大きなエネルギーが地球に到達して地球の磁気圏を圧縮してしまいます。
地球の磁気圏が変化すると、磁場変化をともなって、送電線に異常電流が流れます。さらに、電子機器類を破壊してしまうこともあります。
当然、太陽の磁気嵐による電波障害は発生してしまいます。
そのため、天気予報と同じように磁気嵐の元となる太陽フレア観測による変化の予測は重要です。
磁気嵐の頻度
太陽の磁気嵐は、6000°Cと言われる太陽表面から、炎のようなフレアが爆発的に放出される時に発生します。
フレアの温度は、100万°Cと言われています。その為、そこから出るプラズマ化した磁界を含む粒子は、凡そ8分で地球に到達して電波障害を引き起こします。
太陽のフレアが発生しやすい時期と、静止期間は、おおよそ、11年の周期があります。つまり、太陽の磁気嵐の頻度は、約11年周期で発生しています。
過去の障害と対策
太陽の磁気嵐による大きな被害は、1989年3月にカナダのケベック州で発生した大停電です。この時は、送電線が破壊して、凡そ600万世帯が9時間も停電しました。
完全な復旧までには、数ヶ月を要したと言われています。この時、NASAの衛星でも多数の部品が破壊しています。
対策はどうするの?
太陽の磁気嵐対策は、残念ながらありません。但し、世の中をみると、地球上で発生する停電対策は、様々な形で行われています。
雷による電磁サージ対策についても、様々な製品があって、年々進化したものが考えられています。そういう意味では、間接的に太陽の磁気嵐対策は進められていると言ってもいいのかもしれません。
但し、地球の長い歴史の中で考えてみると、電気が発明され電気製品が世の中に溢れて来たのは、まだまだ最近です。太陽の磁気嵐の観測も、それ程長くはありません。
太陽の磁気嵐の大きさがどの程度になるのかも、分かっていないと考えた方が良いでしょう。地球の天気予報ですら、完璧にできていないのですから。
そんな事を考えると、太陽の磁気嵐による被害の軽減は、これからの課題と言えるでしょう。
まとめ
太陽は、核融合反応をして超巨大なエネルギーを宇宙空間に放出しています。
磁気嵐は、太陽から放出される特別大きなエネルギーが地球に到達して地球の磁気圏を圧縮してしまう現象です。
この時、磁場変化をともなって、送電線に異常電流を流して、送電システムや電子機器類を破壊してしまいます。
太陽の磁気嵐は、電気を使って生活する現代人に多大な被害をもたらすことは分かっています。但し、現時点では具体的な対策はありません。
幸いなことに、地球上の雷サージ対策などは、送電線のような大きなシステムレベルから家庭内の電源サージ対策などを含めて、少しづつ進化しています。
人類は、いづれ太陽の磁気嵐による被害も克服してしまうでしょう。